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芸能活動に意識を向けたことで成績が落ちた可能性があると考えるチーフスTEケルシー

2025年08月13日(水) 13:28

カンザスシティ・チーフスのトラビス・ケルシーとテイラー・スウィフト【AP Photo/Charlie Riedel】

ハリウッドの華やかなチャンスが舞い込んできたことで、カンザスシティ・チーフスのタイトエンド(TE)トラビス・ケルシーのパフォーマンスは低下してしまったのだろうか。

プロボウルに10回選出された経歴を誇るケルシーは、それが事実かもしれないと考えている。

ケルシーは2024年シーズンに823ヤード、タッチダウン3回を記録。これは、1試合の出場にとどまった10年以上前のルーキーシーズンを除いて過去最低の数字だった。他の分野で成功を目指す意欲が、成績低下の一因となった可能性はある。

現地12日(火)に公開された『GQ』の特集記事で、ケルシーは「名を上げることに意識を向けていた分、少しパフォーマンスが落ちてしまったかもしれない」と語り、こう続けている。

「そして、新しい世界である演技やエンターテイナーとしての活動に挑戦するチャンスが訪れて、それにワクワクしていたんだ」

「“そうすべきじゃなかった”と言っているわけじゃない。ただ、俺は仕事に対する姿勢として、自分のやり方に誇りを持ち、絶対にパフォーマンスを落としたくないと思っているだけ。この2年間は自分の基準に達していないと感じている」

昨季の低迷はより際立っていたとはいえ、ケルシーが2023年に7シーズン連続で達成していた1,000ヤード超え(タイトエンドとして史上最多記録)を逃したことも特筆すべき点だ。

ケルシーの成績は下がったかもしれないが、スターとしての人気はかつてないほど高まっている。

人気歌手テイラー・スウィフトの恋人であるケルシーは、2023年3月に『Saturday Night Live(サタデー・ナイト・ライブ/SNL)』のホストを務めた。これは、兄のジェイソン・ケルシーが所属していたフィラデルフィア・イーグルスを破ってチーフスが第57回スーパーボウルを制した直後のことだった。その後、ケルシーは『FX』のホラーシリーズ『Grotesquerie(グロテスクリー)』に5話出演し、『Netflix(ネットフリックス)』で最近公開された『Happy Gilmore 2(ハッピー・ギルモア2)』にも出演している。兄と共にホストを務めるポッドキャスト『New Heights with Jason and Travis Kelce(ニュー・ハイツ・ウィズ・ジェイソン・アンド・トラビス・ケルシー)』も大人気の番組だ。ポッドキャストの最新エピソードは水曜日に配信予定で、スウィフトが初登場する回となる。当然、それはこれまでで最も多く聞かれるポッドキャストになると予想されている。

ケルシーはフットボールに再び集中すると同時に、より大きく新たな高みを目指しているのだ。

その過程で、ケルシーとスウィフトのラブストーリーはフットボール界以外にも影響を及ぼし、より多くの女性をフットボールにひきつけ、スウィフティーズ(スウィフトのファンの総称)がケルシーのファンとなっている。

ケルシーによると、スウィフトも同様にフットボールの大ファンになったという。ケルシーは6月に共同創設者のジョージ・キトルやグレッグ・オルセンと共に毎年恒例の“Tight End University(タイトエンド・ユニバーシティ)”を主催する前に、『GQ』のインタビューに応じた。スウィフトはナッシュビルで行われたイベントの最中にサプライズパフォーマンスを披露している。

世界で最も魅力的なポップスターの1人であり続けるスウィフトは、フットボール選手としてのケルシーの一番のファンにもなっているようだ。

ケルシーは「俺が彼女をフットボールファンにした」と話している。

「彼女は今、最も熱狂的なファンになっている。故障者報告の内容も知っているし、サード・アンド・ショートとか、特別な状況でのプレーについても理解している。自然と俺の仕事について聞くのが好きだから、あらゆることを分かっているんだ」

注目度が下がることはまだまだなさそうだが、ケルシーは世間から注目されない方がフットボールとスウィフトに集中できるようだ。

「カメラが回っていないとき、俺たちはただの恋人同士なんだ」とケルシーは語っている。

「たくさん話題になったり、外出するたびに追いかけられたりしているから、別の見方をされているかもしれないけど、実際はごく普通の恋愛なんだ。メディアに追われてきたけど、自然に始まった関係で、今も自然な形で続いている」

35歳のケルシーの未来は、さまざまな面で明るく、選択肢にあふれている。

12シーズンにわたるNFLキャリアで積んできた経歴は目を見張るものだ。ケルシーはプロフットボール殿堂の2010年代オールディケイドチームに選出され、スーパーボウル制覇を3度経験し、タイトエンドとしてレシーブヤード(1万2,151ヤード)で歴代3位、レシーブ数(1,004回)で歴代3位、タッチダウン数(77回)で歴代5位につけている。

ケルシーは今オフシーズンに引退を検討していたが、それはもう過去の話だ。スーパーボウルでイーグルスに敗れた苦い経験をモチベーションに変え、2025年シーズンに向けて集中しているケルシーは次のようにコメントしている。

「今年は仲間たちのために全力を尽くすという強いモチベーションがある」

そして何より、フットボールフィールドでは究極の目標――再びロンバルディトロフィーを獲得すること――を掲げている。

「スーパーボウルで勝つことだけが目標だ」と強調したケルシーは「それが唯一の目標であり、すべての目標だ」と続けた。

【RA】