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チーフスWRライスが出場停止処分を経て約1年ぶりに出場へ

2025年10月18日(土) 14:31

カンザスシティ・チーフスのラシー・ライス【Ryan Kang via AP】

ワイドレシーバー(WR)ラシー・ライスはカンザスシティ・チーフスの一員として最後に試合に出てから何日経過したかをほぼ正確に把握している。

あと2日でライスは再びフィールドに立つ。

ライスはNFLの個人行動規範違反による出場停止処分を受けて今シーズン最初の6試合を欠場していた。この処分は、2024年3月にダラスでの事故に関与したことで科されたものだ。ライスは昨シーズンも、第4週の試合中にクオーターバック(QB)パトリック・マホームズと衝突した際にACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂し、大半の試合を欠場していた。

現地17日(金)、ライスはラスベガス・レイダース戦に向けた最後の練習を終えた後に「この時をずっと楽しみにしてきた。レギュラーシーズンの試合に出るのは380日ぶりくらいだと思う」と話している。

「長い時間がかかったけど、ついにこの時が来た」

ライスはチーフスのオフシーズンプログラムが始まる前に膝のケガから十分に回復し、トレーニングキャンプにもすべて参加することができた。しかし、シーズンが始まると、チームから離れることを余儀なくされた。関係者全員が6試合の出場停止処分を済ませることがライスにとって最善だと判断し、本人もそれに同意したためだ。

ライスは出場停止中の大半の時間をフロリダで過ごしたと明かしており、そこでの暑さと湿度がコンディションの維持に役立ったと話している。ライスは月曜日から金曜日までトレーニングを行い、さらに日曜日にも別のトレーニングを行い、通常のスケジュールを再現しようとしていたようだ。

また、ライスは試合を家族と一緒に観ていたと語っている。チーフスは最初の2試合で敗れたが、その後は4試合中3勝を挙げており、先週もスーパーボウル出場候補と目されるデトロイト・ライオンズに圧勝している。

「俺にとって一番いいのは、仲間と一緒にいられることだ。どのポジションにもリーダーがいて、ディフェンスの選手もフィールドの内外で俺を助けてくれている。こういうチームにいる最大の利点はそこだ。全員が支えてくれるんだ」とライスは語った。

ライスは“重傷者を伴う衝突”と“負傷者を出した高速道路でのレース行為”という2つの重罪容疑について有罪を認めた。ダラスの地方検事局によると、ライスは被害者への賠償金として11万5,000ドル(約1,730万円)以上を支払い、30日間の禁錮刑は5年間の保護観察期間中の任意の時期に執行されるという。

ライスは金曜日、自身が直面している法的問題については一切語らず、フットボールについてのみ話すことを選んだ。

この1年以上で何を学んだかと尋ねられたライスは「自分がフットボールというスポーツを愛していることを学んだ。多くの逆境に直面できたことで、自分のメンタル面の強さも実感できた」と答えている。

チーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リードは、2024年9月29日に行われたロサンゼルス・チャージャーズ戦で負傷してから初めて試合に臨むライスのプレー数に制限を設けるかどうかについて明言を避けた。チーフスはWR陣にゼイビア・ワーシー、マーキス・ブラウン、ジュジュ・スミス・シュスターを擁しているため、ライスの復帰を急ぐ必要のない恵まれた状況にある。

「彼が出場を楽しみにしているのは間違いない。1年と6週間も実戦から離れていたからね」とリードHCはコメント。

「試合で様子を見るつもりだ。彼はすべてを理解している。プレー数については――全プレーに出るわけではないだろう。とにかく彼の状態を見てみる」

一方、チーフスのレフトタックル(LT)ジョシュ・シモンズは金曜日も練習を欠席し、ジェイロン・ムーアが2試合連続で先発出場する見込みとなっている。リードHCはシモンズの欠席を“個人的な理由”と説明した。4月にチーフスからドラフト1巡目で指名されたシモンズは先週、ライオンズ戦の直前に欠場することになり、急きょ代役を務めたムーアは見事な働きを見せた。

「ジェイロンがどれだけ努力してきたかは知っている。彼は毎日、プロとして取り組んできた」とマホームズは話している。

「自分の仕事を見事にやり遂げてきた。トレーニングキャンプやOTA(チーム合同練習)で繰り返しプレーしてきたから、試合でもしっかり戦ってくれると信じている」

「もう分かっているだろ。彼はこのリーグの先発タックルだ。フィールドに出て、誰とでも渡り合える」


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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