ブラウンズがアキレス腱負傷のQBワトソンをPUPリストから復帰指定
2025年12月04日(木) 09:17
デショーン・ワトソンが2025年末までにプレーを再開する可能性が出てきた。
現地3日(水)、クリーブランド・ブラウンズがワトソンの21日間の練習期間を開始したと発表。これにより、ベテランクオーターバック(QB)のワトソンは今シーズン中に復帰できるほど健康であることを今後の3週間で証明する機会を得ている。
ヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーは水曜日に報道陣に対し、「彼のことを思ってワクワクしている」と述べた。
「彼も私も当然、試合や練習への復帰に焦点を当てている。彼には1年以上その機会がなかった。これは彼にとって良い次の一歩だ。ただし、言うまでもなく、私たちはテネシー・タイタンズ戦に集中し続けている」
今回の展開は驚くべきものとなっており、その一因としてタイミングが挙げられる。ワトソンは2024年シーズン途中にアキレス腱(けん)を負傷して離脱し、手術で修復した後に再断裂したため、理論上2025年シーズン中に復帰する可能性は低いと見られていた。しかし、練習再開の許可を得た後、ワトソンは想定されていたスケジュールを上回る速度で回復を見せているようだ。
とはいえ、水曜日のニュースは慎重に受け止める必要がある。ブラウンズがワトソンをアクティブロースターに登録する必要はまったくなく、現在はワトソンが健康でプレー可能な状態であることと、ロースター入りに値することを証明するための一定の期間に入ったところだ。期間内にアクティブ登録されなければ、ワトソンはシーズンの残り期間でPUP(故障者)リストに戻されることになる。ブラウンズは現在3勝9敗で、またしても厳しいシーズンを過ごしている状態だ。
ブラウンズはシンシナティ・ベンガルズがここ1カ月でQBジョー・バロウに対して行っていたような、試合復帰に向けた本格的な準備をしているわけではなさそうだ。
組織としてワトソンを再びフィールドに立たせたいと考えているのかと質問されたステファンスキーHCは、「今の段階では私も彼もそこに集中しているわけではない。彼が目を向けているのは、久しぶりにヘルメットをかぶり、ショルダーパッドを着け、ボールを投げること。そこに集中しているのだ」と答えている。
2024年にアキレス腱を負傷したことで、ワトソンのブラウンズ時代が終わることはほぼ確実となったように思われた。ブラウンズは2022年に3つのドラフト1巡目指名権と引き換えにワトソンを獲得し、完全保証となる2億3,000万ドル(約356億7,680万円)の契約を結ぶという、チームの将来を左右する大失策を犯した。この契約はNFL史上最悪とまで言われており、オーナーのジミー・ハスラムでさえ「大きな動きに出て失敗した」と認めている。ブラウンズはここ2シーズンで立て直しと再建を試みてきたが、直近29試合でわずか6勝しか挙げられていない。
ブラウンズは前に進むために4月のドラフトで2人のクオーターバックを指名。オフシーズンにはケニー・ピケットを獲得(後にトレード)し、ジョー・フラッコも呼び戻した(こちらも後にトレード)。そうして多くの選択肢を模索してきたブラウンズは事実上、ワトソンにほぼ見切りをつけている。
しかし、ワトソン復帰の可能性が完全に消えることはなかった。シーズン第12週に敵地で行われたラスベガス・レイダース戦でチームに同行していたことがきっかけとなり、ワトソンの名前が挙がる頻度はここ数週間でわずかながら確実に増えている。それ以降、ワトソンは練習で新人QBのシェドゥーア・サンダースやディロン・ゲイブリエルをサポートしているとして、公の場で称賛されてもいる。
現時点でブラウンズがワトソンを最も高く評価しているのは、まさにその部分のようだ。結局のところ、ブラウンズは2億3,000万ドルもの完全保証契約を与えたワトソンから、何らかの利益を得る必要がある。
ステファンスキーHCはワトソンについて「彼はミーティングルームでも、選手たちと共にフィールドにいるときも、いつも支えになってくれた。今度は練習場でもそうすることになる」と語った。
ワトソンに関する進展がここで終わったとしても驚くべきではない。ワトソンはサラリーキャップ上の不利益を踏まえて2026年もブラウンズのロースターに残る可能性が高い。
とはいえ、ブラウンズのクオーターバックに関しては、もっと奇妙なことが起きていたことも事実だ。
【RA】



































