ベテランCBダリウス・スレイが引退を検討中、ビルズには合流しない見込み
2025年12月05日(金) 09:37
ダリウス・スレイはシーズン終盤にバッファロー・ビルズに移籍することになったが、このままキャリアを終える可能性が浮上している。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが現地4日(木)に伝えたところによると、ベテランコーナーバック(CB)のスレイがバッファロー・ビルズに対し、引退を検討しており、チームに合流しないつもりだと伝えたという。ビルズは今週初めにウェイバーにかけられたスレイをクレームした。
スレイが今季中の現役続行を望んだ場合、ビルズは引き続きその権利を保持することになるとペリセロはつけ加えている。
34歳のスレイは今季の10試合に出場した後、火曜日にピッツバーグ・スティーラーズからカットされ、残り期間を別のチームで過ごす道が開かれた。スレイはシーズン第13週に行われたビルズ戦で、健康上の問題がないにもかかわらず欠場となっていた。
ビルズは6度のプロボウル選出を誇るスレイを獲得し、プレーオフ進出に向けての追い込み期間に備えて経験豊富な守備選手を手に入れた。しかし、スレイはNFL13年目のシーズンを締めくくるために、そうした努力をすることに関心がないようだ。
それは驚くべきことではない。フィラデルフィア・イーグルスの一員として第59回スーパーボウル制覇を経験してからわずか数週間後、スレイは公の場で自身の計画を語り、あと1シーズンプレーすることを目指し、その舞台は所属したことがあるイーグルスかデトロイト・ライオンズのどちらかがいいと考えていることを明らかにしていた。
最終的にスレイはスティーラーズに加入することになったが、そこでは急速に調子を落とした。スティーラーズ守備陣でシーズン序盤に苦戦したこと――クオーターバック(QB)ジョー・フラッコ率いるシンシナティ・ベンガルズに敗れた試合が最も顕著だった――は、スレイがゾーンカバレッジでほぼ活躍できず、マンカバレッジでも同様に十分な力を発揮できないことを示す結果となった。今季、マンカバレッジで最も近いディフェンダーとなったときに相手に許したパサーレーティングは106.3であり、『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』によるカバレッジグレードは58.6と、有資格の110人のコーナーバックの中で71位に位置付けられた。
低迷していた中、スティーラーズは今週にスレイを放出し、ベテランワイドレシーバー(WR)アダム・シーレンを獲得。経験豊富なベテラン選手同士の入れ替えが行われた結果、スレイは新天地を探すことになった。
今のところ、スレイは一連の出来事にうんざりしているのかもしれない。
2013年ドラフト全体36位で指名されたミシシッピ州立大学出身のスレイは、ライオンズで違いを生み出すコーナーバックとして実力を証明。3度のプロボウル選出、オールプロファーストチーム選出(2017年)、そして“ビッグプレー・スレイ”という愛称にふさわしい活躍を見せた。元ヘッドコーチ(HC)マット・パトリシアと対立していたことを受け、ライオンズは2020年にスレイをイーグルスにトレード。移籍後も活躍を続けたスレイはプロボウルに3度選出され、ジム・シュワルツ、ジョナサン・ギャノン、ビック・ファンジオが指揮を執る守備陣で重要な役割を担ってきた。
スレイは第57回スーパーボウル進出を目指していたシーズンにギャノン率いる守備陣で重要な役割を果たしたが、イーグルスでの最後の2シーズンでは年齢の影響が見え始めていた。そうした現実を踏まえ、ジェネラルマネジャー(GM)ハウイー・ローズマンは2024年ドラフトの最初の2つの指名権をディフェンシブバック(DB)の獲得にあてた。スレイは第59回スーパーボウルに進出した際も先発の座を守り続け、イーグルスでキャリアを終えたいという希望を公言していたが、ビジネス的な側面によってその実現は阻まれ、イーグルスは2025年春にスレイを放出する決断を下した。
フィールド内外で自分の意見を率直に語ってきたスレイは、スティーラーズでの短い在籍期間を経て静かにキャリアに幕を下ろすのだろうか。それはこれから明らかになるはずだ。
【RA】



































