NFLが選手の安全性向上のために2028年までに新フィールド導入を全スタジアムに義務化
2025年12月05日(金) 10:54
NFLの各スタジアムは実験室および実地でのテストで定められた基準を満たすため、2028年シーズン開幕までにフィールド表面を一新しなければならない。
現地4日(木)、NFLのフィールドディレクターであるニック・パパスが来季開幕前までに各チームに“承認済みかつ認定済みのNFLフィールドのライブラリ”を提供するというプログラムの計画を説明した。各チームには、天然芝、人工芝、またはそのハイブリッドのいずれであっても、新たに承認されたフィールド表面を導入するために2年間の猶予が与えられる。
パパスは、ヘルメットに新基準をもたらしたテストを引き合いに出し、新たなフィールドは徹底的なテストを経て、NFLPA(NFL選手会)との合同委員会によって承認される見込みだと述べた。
「これは赤、黄、緑と色分けしていくような作業であり、私たちは業界に新しく登場するフィールドと比べて理想的でないと判断したフィールドを段階的に廃止しようとしている」とパパスは語っている。
「これは私たちにとって大きな一歩だ。適切な指標を決定する装置の導入と開発という作業において、合同サービス委員会が生み出した素晴らしい成果だと思うし、それによってこれまで以上に確実にフィールドの品質を裏付ける方法を手に入れることができた」
パパスは2つの主要なツールを用いて実験室および実地でのテストを行なっていると明言。1つはNFL選手の動きを再現するトラクション試験機“BEAST”で、もう1つは各フィールドの硬さ測定に役立つ“STRIKEインパクトテスター”だ。
リーグは全30のNFLスタジアムで、そしてそれぞれのスタジアムの中で、シーズンを通して可能な限り一貫性を保てるフィールドを見つけることを目標としている。パパスはフィールドの“重要な柱”として、最適なプレー環境の確保、負傷リスクの低減、そして選手からのフィードバックを挙げた。
NFLがリーグ全体に天然芝フィールドを義務付ける予定はない。リーグのチーフメディカルオフィサー(CMO/医務部長)であるアレン・シルズ医師は、選手の間で芝フィールドが好まれる傾向があるだけでなく、ニューヨーク・ジャイアンツおよびニューヨーク・ジェッツが使用しているメットライフ・スタジアムのようなフィールドに対する不満が広がっているにもかかわらず、下肢の負傷や脳しんとうの発生にフィールドの種類や特定の表面が“統計的に有意な差”をもたらすことはないと述べている。
シルズ医師は「下肢の負傷に影響を与える要因は、フィールドの表面だけではない」と述べ、こう続けた。
「選手の負荷や負傷歴、疲労、ポジション適性、使用しているスパイクなど、他にも多くの要因がある。つまり、フィールド表面は1つの要素に過ぎない。その方程式は複雑なものであり、だからこそ今回の取り組みの進展に期待している。これまでの人工芝と天然芝という大雑把な区別から脱却できると思うからだ。今ではそれぞれのフィールド表面ごとに、その生物物理学的特性を見て、ケガとの関連性を考えることができる。そしてもちろん、それをどう最適化するかも検討できる」
また、パパスは2026年2月8日(日)にカリフォルニア州サンタクララにあるサンフランシスコ・49ersの本拠地リーバイス・スタジアムで開催されるスーパーボウルの計画についても明らかにした。フィールド用の芝はベイエリアから東へ約2時間の場所にある芝農場で育成されており、パパスは過去18カ月間で何度も現地を訪れ、フィールドの状況を確認してきた。
リーグは1月の第3週頃にフィールド表面を整備する予定だが、49ersがプレーオフゲームを本拠地で戦うことになれば、それ以降になる可能性がある。
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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