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スティーラーズは単に慌てず「より良いプレー」をする必要があるとQBロジャース

2025年12月05日(金) 14:41

ピッツバーグ・スティーラーズのアーロン・ロジャース【Cooper Neill via AP】

クオーターバック(QB)アーロン・ロジャースはかつて、チームを取り巻く騒ぎを鎮めるためにシンプルなメッセージを伝えた――「R-E-L-A-X(リラックス)」と。

2014年当時のグリーンベイ・パッカーズは最終的に12勝4敗でシーズンを終え、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区制覇を達成。2015年1月にはプレーオフで勝ち進んだが、カンファレンスチャンピオンシップゲームでシアトル・シーホークスに敗れるという衝撃的な結末を迎えた。それから10年以上が経過した今、ロジャースが現在率いているピッツバーグ・スティーラーズは、12月を迎えた時点で当時のパッカーズと同じような可能性を秘めているようには見えず、ロジャースも外部の懸念を鎮めるために同じ手段を取っているわけではない。

『Associated Press(AP通信)』によると、ロジャースは現地3日(水)に「俺が世間に対してちょっと落ち着けとメッセージを送る必要があるほど、このチームが慌てたりパニックに陥ったりしているとは思わない。自分たちのプレーが安定していないのは確かだ。より良いプレーをしないといけない」と語ったという。

ロジャース率いるスティーラーズは現在6勝6敗で、直近7試合ではわずか2勝しか挙げられておらず、最悪のタイミングで下降傾向にあるように見える。状況は深刻化し、ファンの間ではヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンの解任を求める声が再燃。シーズン第13週に大差で敗れたバッファロー・ビルズ戦では、第4クオーターにチームのファイトソングであるスティクスの『Renegade』が流れていた際にもブーイングが起こっていた。

スティーラーズは攻守ともに気迫を欠き、シーズン第12週には勢いに乗るシカゴ・ベアーズにアウェーで31点を許して敗れ、シーズン第13週にはビルズのランニングバック(RB)ジェームス・クック(キャリー32回、144ヤード)に圧倒された。特に攻撃面で精彩を欠くスティーラーズは、ビルズ戦の獲得ヤードが166ヤードにとどまり、ロジャースがフィールドにいるときでさえ相手守備陣を脅かすことができなかった。

2014年シーズンのパッカーズと2025年シーズンのスティーラーズの共通点は、勝率.500の時点があったことだけだ。当時31歳だったロジャースは全盛期の真っ只中であり、キャリア2度目のNFL MVP受賞を果たすとともに、パッカーズを素晴らしいシーズンに導いていた。

ロジャースは現在42歳で、プレーにも年齢が表れている。さらに悪いことに、スティーラーズは当時のパッカーズほどの戦力を備えていない。4勝1敗の好スタートを切ったにもかかわらず、スティーラーズがプレーオフ進出を果たすと予想している者はほとんどいない状態だ。

残りの5週間で流れを変えるには、このまま崩れるのではなく、目の前の難題に真正面から向き合う必要があるとロジャースは考えており、「自分たちは常に、想像以上に近づいてはいるが、それと同時に思っているほど素晴らしいチームでもない」と話している。

また、ロジャースは「12月に正しい形でプレーできるようになることを待ち望んでいるような感じだ。でも、基本的な観点から言えば、12月に意味のある試合を戦えること自体が特別で、俺たちはそのことを受け止める必要があると思う」と語った。

ロジャースは他の多くの選手と同様に、自分自身の問題にも向き合っている。左手首の負傷でシーズン第12週を欠場したロジャースは、装具をつけてプレーせざるを得ない状況だ。これは厄介な問題ではあるが、プレーの妨げになるほどではない。

ロジャースは直近の試合で敗れた後に典型的な発言をし、自分自身を含むスティーラーズの全員が行動に責任を持ち、シーズン終了まで技術の向上に専念するべきだと訴えた。また、ロジャースは新たに加入したベテランワイドレシーバー(WR)アダム・シーレンも歓迎している。スティーラーズは今週、ミネソタ・バイキングスからウェイバーにかけられたシーレンをクレームした。

シーレンの加入はスティーラーズの問題に対する特効薬にはならない。おそらくそのようなものは存在しないだろう。しかし、ロジャースはチャンスがある限り挑戦し続けるつもりだ。

そのチャンスはあと5回ある。次の日曜日には地区ライバルのボルティモア・レイブンズとの一戦が控えており、“リラックス”している暇はないと言えよう。

【RA】