足の負傷でIRに登録されたカーディナルスQBマレー、今季中の復帰はなし
2025年12月06日(土) 09:05
クオーターバック(QB)カイラー・マレーの短縮された2025年シーズンが正式に終了した。
アリゾナ・カーディナルスのヘッドコーチ(HC)ジョナサン・ギャノンが現地5日(金)、足の負傷で11月上旬に故障者リザーブ(IR)に登録されたマレーが今季中に再びプレーすることはないと発表。
ギャノンHCは「今週さらに検査を受け、州外まで行って別の医師の意見も聞いた。出場可能だと思えるほど回復していないため、今シーズンはこれで終わりだ」と説明している。
マレーはシーズン第5週にテネシー・タイタンズに敗れた試合で足を負傷し、週毎の経過観察とされた。しかし、回復の兆しが見られないまま、このケガはカーディナルスのQB事情に関するより大きな議論に進展するきっかけとなっている。
マレーの負傷による欠場は当初、事実上のスタメン落ちと見なされた。マレーが先発を務める中、カーディナルス攻撃陣は一貫して苦戦。プレーのタイミングが遅れることもしばしばあった。その結果、ギャノンHCの指導下で強化された守備陣の努力は水泡に帰し、シーズン第3週から第5週にかけては1ポゼッション差での敗北を3試合連続で喫した。ベテランバックアップQBジャコビー・ブリセットがマレーの代わりに出場すると、カーディナルス攻撃陣は明らかに改善され、今後もマレーではなくブリセットを起用すべきだという声が高まった。
ブリセットが指揮を執った試合でカーディナルスはさらに数試合を1ポゼッション差で落としている。しかし、ベテランのブリセットはシーズン第9週のプライムタイムに臨んだダラス・カウボーイズ戦で印象的な活躍を見せてチームに勝利をもたらし、マレーではなく自分を起用した方が勝利の可能性が高まることを観客に知らしめた。マレーが最終的に故障者リザーブ(IR)入りしたことは、この難題を解決すると同時に、チームにおけるマレーの将来について新たな疑問を投げかけることにもなった。
かつてドラフト全体1位指名を受けたマレーにとっては残念な知らせだが、金曜日の発表は現在の成績が3勝9敗となっているカーディナルスの状況を変えるものではない。むしろ、今回の動きは単に、マレーのアリゾナ時代が終わりに近づきつつあるという主張に対して、本人がフィールド上で反論する機会が失われたことを保証するものとなっている。
マレーが2026年もカーディナルスの先発クオーターバックになると見込んでいるかと質問されたギャノンHCは、その質問をかわして「正直、今は(ロサンゼルス)ラムズのことを考えている」と答えた。次のラムズ戦はマレーがIRからの復帰初戦として臨むと見込まれていた試合だった。
カーディナルスがマレーと決別する可能性は十分にあるが、2026年に放出することを財政的に妥当と見なすことはできない。それによって5,770万ドル(約89億6,485万円)のデッドキャップヒットが発生し、その負担は2026年と2027年に分割できるものの、代わりのQBを獲得する必要もあるチームにとってはかなりの負担となるからだ。とはいえ、カーディナルスがトレード相手を見つけられれば、デッドキャップは1,790万ドル(約27億8,112万円)にとどまり、3,530万ドル(約54億8,456万円)の節約になるため、マレーとの決別は一気に受け入れやすいものとなる。
トレードを成立させるには、マレー本人の承認を得たうえで、交渉相手のチームが納得できる条件をまとめる必要がある。現時点ではそれが最優先事項ではないが、新たなスーパーボウル王者が誕生する頃には、動き出す必要が出てくるだろう。
しかし、確かなことが1つあり、それはマレーの2025年シーズンにおける出番はもう終わったということだ。マレーが次にプレーするときにユニフォームが変わっているかどうかは、いずれ分かるだろう。
【RA】



































