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バイキングスがQBマッカーシーの成長を見据えて2026年オフにベテランQB補強へ

2025年12月08日(月) 12:27

ミネソタ・バイキングスのJ.J.マッカーシー【NFL】

クオーターバック(QB)J.J.マッカーシーにとってNFLにおける実質的なルーキーシーズンは、決して順風とは言えない。昨季に半月板を断裂し、今季ようやくプレーできるようになったミネソタ・バイキングスのシグナルコーラーは、出場可能だった12試合のうち先発はわずか6試合にとどまり、その多くで苦戦を強いられている。

マッカーシーがミネソタで迎える3年目のシーズンに向け、チームはクオーターバック陣に補強を加えて彼を支える構えだ。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは現地7日(日)の“NFL GameDay Morning(NFLゲームデイ・モーニング)”で、バイキングスが次のオフシーズンにクオーターバック陣を「強化」し、マッカーシーを「成長させる」目的でベテランQBの加入を見込んでいると報じた。

マッカーシーは2026年に新人契約の3年目を迎える予定だ。現時点でロースター入りが見込まれるのは、ドラフト外ルーキーのQBマックス・ブロスマーのみ。ブロスマーは今季唯一の先発となった試合で苦しい内容に終わっている(パス30回中19回成功、126ヤード、インターセプト4回。シーズン第13週のシアトル・シーホークス戦で完封負け)。マッカーシーは脳しんとうの影響でこの試合を欠場したが、4勝8敗で臨んだ3勝9敗のワシントン・コマンダースとの日曜日の試合で復帰し、勝利を収めた。

カーソン・ウェンツは今季、マッカーシーのバックアップを務め、先発QBが足首のハイアンクルスプレインで欠場した5試合では堅実な代役としてプレーしていた。来季開幕時に33歳となるウェンツはシーズン終了となる左肩の手術を受け、現在は故障者リザーブ(IR)に置かれている。

22歳のマッカーシーは、豊富な先発経験を持つベテランQBと同じクオーターバックルームで過ごす環境に慣れている。ウェンツと、2024年の先発だったサム・ダーノルドは、ともにドラフト全体3位以内で指名されたQBであり、バイキングス加入前に通算150試合の先発経験を積んでいた。

ダーノルドは2024年、ドラフト10位指名のマッカーシーが控える中でつなぎ役として起用されたものの、期待を上回るパフォーマンスを披露し、バイキングスを14勝3敗の成績とプレーオフ進出へ導いた。チームはオフシーズンにダーノルドをシーホークスへ送り出し、先発の座をマッカーシーに託した。そして夏の終わりにウェンツを迎え入れ、バックアップを任せる形となった。ドラフト全体6位指名の経歴を持ち、2024年シーズンをバイキングスの練習生として終えたダニエル・ジョーンズも、オフシーズンにチームを離れてインディアナポリス・コルツへ移っている。

もしバイキングスが2026年のオフシーズンに新たなQBを補強する場合、その選手はダーノルドやジョーンズというより、ウェンツに近いタイプになる可能性が高い。マッカーシーを後押しし、良き手本となる役割を担いながらも、シグナルコーラーとしては全盛期を過ぎたタイプと言えるだろう。

マッカーシーはNFL2年目の今季、随所で才能をのぞかせてきた。シーズン第1週のシカゴ・ベアーズ戦では激しい追い上げを主導し、足首の負傷から復帰した試合ではデトロイト・ライオンズを撃破した。一方で、不調の日も同じかそれ以上に多く、直近では第12週のグリーンベイ・パッカーズ戦が象徴的だ。この試合でマッカーシーは19回のパスアテンプトで87ヤードしか獲得できず、インターセプト2回、サック5回と苦戦し、チームも23対6で敗れている。

では、2026年にマッカーシーとクオーターバックルームを共にするのは誰か。候補には数々のベテランが挙がる。ラッセル・ウィルソン、マーカス・マリオタ、タイロッド・テイラー、ジョー・フラッコ、ジミー・ガロポロ、元バイキングスのケイス・キーナムやテディ・ブリッジウォーター、そしてもちろんウェンツも含まれる。また、ジョーンズとアーロン・ロジャースは来季の契約が残っていないものの、いずれも先発級のQBであり、ジョーンズは延長される可能性が高く、ロジャースは引退が濃厚だ。

来季、どのQBがマッカーシーと同じクオーターバックルームに加わることになったとしても、ミシガン大学出身のマッカーシーが持つ1巡指名選手にふさわしい潜在能力を引き出すために重要な存在であることに変わりはない。QB育成の名手とされるヘッドコーチ(HC)ケビン・オコンネルと共に、マッカーシーの成長を後押ししていく役割を担うことになる。

【R】