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眼窩骨折のコルツQBリチャードソンが約2カ月ぶりに練習復帰

2025年12月19日(金) 08:47

インディアナポリス・コルツのアンソニー・リチャードソン【NFL】

奇妙な2025年シーズンを過ごすクオーターバック(QB)アンソニー・リチャードソンに希望の兆しが見えてきた。

インディアナポリス・コルツのヘッドコーチ(HC)シェーン・スタイケンが現地18日(木)、リチャードソンの21日間の練習期間を開始したと発表。

スタイケンHCは「先週も話した通り、アンソニーは身体を動かし始めたが、まだ片目の視界に制限がある。そのため、練習場に戻し、投球やスカウトチームでの練習をさせるつもりだ。彼はプロセスを通して問題に対処していくことになる」と説明している。

リチャードソンの練習復帰は今季の残り3試合で戦列に戻ることを示すものではない。リチャードソンが健康なら先発を務めるのかと質問されたスタイケンHCは、簡潔に「現時点ではフィリップがうちの先発だ」と答えた。

44歳のQBフィリップ・リバースは4年以上フットボールから離れていたが、先週に現役復帰してコルツと契約。その数日後にはNFLの試合に先発出場した。現在のコルツにとって、リバースはクオーターバックとして最良の(少なくとも最もリスクが低い)選択肢であり、新人QBライリー・レナードが控えとして名を連ねている。ロサンゼルス・チャージャーズ時代に培った信頼関係から、リバースとスタイケンHCは日曜日に接戦の末に敗れたNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)王者候補のシアトル・シーホークスとの対戦でもうまく連携していた。かつては確実にプレーオフに進出すると予想されていたコルツが、今や必死にその座に踏みとどまろうとしている状況を踏まえれば、リバースが引き続きチームの先発QBとして起用されるのは当然だと言えよう。

リバースとコルツは月曜夜にサンフランシスコ・49ersを迎え撃つ予定だ。

リチャードソンは10月12日、試合前のウオームアップ中にエクササイズバンドが原因の思わぬ事故で眼窩(がんか)を骨折し、手術を受けて約2カ月間故障者リザーブ(IR)に置かれていた。スタイケンHCが語ったように、リチャードソンは負傷した目の視力が完全には回復していないが、それでも練習場には復帰できる見込みだ。

リチャードソンの視力はいずれ完全に回復するのかと質問されたスタイケンHCは「それについては答えられない。回復の仕方は人それぞれだ。回復のプロセスには彼自身が向き合っていくことになるが、その過程で練習場に戻れるのは非常に良いことだ」と述べている。

木曜日、リチャードソンは報道陣に対して調子は“普通”だと明かした。

『Associated Press(AP通信)』によると、リチャードソンは「普通だと感じている。見えるし、運転したり歩き回ったりすることもできるし、何かにぶつかることもないから普通だと思う。家でじっとしているのはつまらない。最初の頃はチーム施設にも行けなくて、チームメイトと会ったり、スタジアムに行ったりすることができなくて本当に退屈だった。でも、練習に出られるようになったことを神に感謝している」と語ったという。

リチャードソンは木曜日の練習に制限付きで参加した。

2023年NFLドラフト全体4位指名を受けたリチャードソンは、プレシーズンに新たに加入したベテランQBダニエル・ジョーンズとの先発争いに敗れて控えに回され、ジョーンズがスタイケンHCの下で躍進する姿を眺めることになった。ジョーンズがアキレス腱(けん)断裂で今季絶望となったうえに、リチャードソンの回復が遅れたことで、コルツはリバースの獲得に動くことになり、シーズン終了まで残り3週間という中で異例の状況に置かれている。

リチャードソンの練習復帰が実戦での起用につながるかどうかは未定だ。

【RA】