グレンHC率いるジェッツがトレーニングキャンプを開始、「スローガンも盛り上げるためのスピーチもない」
2026年07月30日(木) 12:30
ニューヨーク・ジェッツのヘッドコーチ(HC)アーロン・グレンは夏の初練習を前に選手たちと会い、シンプルな目標を共有した。
そして、その際に奇をてらったキャッチフレーズや感情に訴えかける言葉を使うことはなかった。ジェッツで就任2年目を迎えるグレンHCはあくまで仕事に徹しており、チームは3勝14敗に終わった昨季を過去のものにし、16年ぶりのプレーオフ進出を目指している。
現地29日(水)、グレンHCは「とにかくOTA(チーム合同練習)でつかんだ勢いをトレーニングキャンプでも生かしたいと考えている。だから、スローガンも盛り上げるためのスピーチもない。昨日は選手たちと方向性を定めたかった。私たちは成長する準備ができているし、それこそ私たちが目指していることだ」と語った。
グレンHCの去就はそれを達成できるかどうかにかかっている。
現役時代にコーナーバック(CB)としてプロボウルに選出された経歴を持つグレンHCは昨年、1994年ドラフト1巡目で自身を指名したジェッツに戻り、NFLヘッドコーチとしての初年度にチームを立て直そうとした。しかし、グレンHCが指揮を執ったシーズンはチーム史上最悪のシーズンの1つとなっている。その要因は、意思決定、タイムマネジメント、選手起用におけるミスであり、コーチングスタッフの人選にも問題があった。
「どのヘッドコーチも1年目を終えて2年目を迎えると、いろいろなことが見えてくると思う。まったく違うとは言いたくないが、予想もしていなかった盲点がいくつもある」とグレンHCは述べている。
「それはすべてのヘッドコーチ、特に1年目のヘッドコーチから聞いていたことだ。そのおかげで今年はそうした問題に正しい方法で取り組めるようになる」
グレンHCは何が“盲点”だったのかは話さず、それを明言することは自身にとってもチームにとっても公平ではないと説明。また、選手たちへの全体的なメッセージについても明かさなかった。一方、選手たちはグレンHCを全面的に支持する姿勢を明らかにしている。
クオーターバック(QB)ジーノ・スミスは「AG(アーロン・グレン)はこのチームの青写真と、俺たちをどこへ導きたいのかをはっきり示してくれた。それを実現するのが俺たちの仕事だ」とコメント。
ラインバッカー(LB)デマリオ・デービスは「ロッカールームには、彼のためなら壁をも突き破る選手が90人いる」と話している。
シーズン開幕を控える中、グレンHCは自身とチームの両方に改善が求められていることを承知の上で、ヘッドコーチとして厳しい立場に立たされている。結果が出なければ、長年苦戦してきたチームを立て直す役目は、別の誰かに託されることになるかもしれない。
ランニングバック(RB)ブリース・ホールは「正直、ニューヨークに来る人は誰でも、それはたとえ前にここでプレーしていた彼であっても、最初は手に負えないほど大きなものを背負い込んでしまうんだと思う。分かるだろ」と話し、こう続けている。
「気づかないうちにね。それに彼は1年目だったから、最高の瞬間も最悪の瞬間も経験したと思う。とにかく彼は何が待ち受けているのかを分かっていると思う」
「彼は自分が何を望んでいるのか分かっている。自分が組織や選手、コーチに何を求めているのかを理解しているんだ」
グレンHCはオフシーズンにコーチ陣を大幅に刷新し、アシスタントの半数を入れ替えた。その際、タナー・エングストランドと決別してフランク・ライクを攻撃コーディネーター(OC)に据え、昨季終盤に解雇されたスティーブ・ウィルクスの後任としてブライアン・デューカーを守備コーディネーター(DC)として採用している。ただし、今季はグレンHC自身がディフェンスのプレーコールを担当する見込みだ。グレンHCはそれを自身の“スーパーパワー”と呼んでいる。
グレンHCがプレーコールの役割を担うことになってからすでに変化を実感しているジェネラルマネジャー(GM)ダレン・ムージーは、次のように述べた。
「見ていて楽しい。ミーティングやフィールド上で、彼が選手たちと積極的に関わっている姿を見ることができるし、今日もそうだった。ディフェンスのプレーコールに彼自身が関わり、細部に至るまで深く関わっていることで、そのエネルギーや熱意が伝わってくる」
グレンHCによると、かつてジェッツでチームメイトだったライクOCとはオフェンスに対する考え方が一致しているという。それは、ランプレーを重視し、ビッグプレーを狙うというものだ。また、グレンHCと共にデトロイト・ライオンズでコーチを務めた経験を持つデューカーは、ディフェンスに精通しており、ヘッドコーチがチーム運営の別の領域に取り組む必要がある際にはいつでもディフェンスを支えることができる。
「それは私にとって本当に心強いことだ」とグレンHCは強調している。
「自分が熟知しているディフェンスをインストールできるのは本当に楽しみだ。今やっていることの多くは、ニューオーリンズ(セインツ)からデトロイトへ移った際に、やりたかったことだ。何か問題があればすぐに修正できる。それが私にとっては楽しみなんだ」
「フランクのことも、彼がチームにもたらすものも、デュークがチームにもたらすものも分かっている。自分自身がディフェンスの指示を出し、抱えている問題を解決できると思うと、本当に楽しみだ。心からそう思っている。」
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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