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【第51回スーパーボウル】史上初の延長戦! 大逆転を果たしたペイトリオッツが勝利!

2017年02月06日(月) 12:50

ニューイングランド・ペイトリオッツのトム・ブレイディ【AP Photo/Darron Cummings】

現地5日(日)、ニューイングランド・ペイトリオッツ対アトランタ・ファルコンズによる第51回スーパーボウルが開催された。試合前から多くの注目を集めたのは今回で祭典出場7度目のクオーターバック(QB)トム・ブレイディ率いるペイトリオッツと、今季MVPに輝いたQBマット・ライアン率いるファルコンズのトップQB対決。試合はファルコンズ優勢の展開となり、前半は大量リードを保っていたものの、第4クオーターにペイトリオッツが逆襲に転じて終了間際に同点に追いつく。スーパーボウル史上初の延長戦は勢いを維持したペイトリオッツがタッチダウンを決め、チームとしては5回目のスーパーボウル制覇を成し遂げた。

オープニングドライブでボールを手にしたペイトリオッツだったが、ファルコンズの新人ミドルラインバッカー(MLB)ディオン・ジョーンズにランニングバック(RB)レギャレット・ブラントのラン攻撃を阻止され、ボールを進められず。ただ、ファルコンズもRBデボンタ・フリーマンの37ヤードランで前進したものの、その後にライアンがサックされるなどして得点圏まで進入するチャンスを逃した。ペイトリオッツ攻撃陣はブレイディのパスで攻撃を組み立てたいところだが、ファルコンズのディフェンシブタックル(DT)グレイディ・ジャレットにサックを食らうなど、思うように前進できない。両チームとも攻撃がかみ合わず、スコアゼロのまま第1クオーターを終えている。

ボールを手にした状態で第2クオーターを迎えたペイトリオッツは、ブレイディからエデルマンへの27ヤードパスで敵陣まで前進するも、直後のプレーでブラントがファンブルし、ファルコンズにリカバーされてしまう。守備陣から勢いを得たファルコンズ攻撃陣は、ライアンがこの試合初めてWRフリオ・ジョーンズへのパスをコンプリートさせて攻撃のリズムをつかむと、続けてフリーマンの連続ランで敵陣5ヤード地点まで進入。ドライブの最後は再びフリーマンがエンドゾーンに持ち込んでファルコンズが先制タッチダウンを決める。これでチームとして勢いに乗ったファルコンズは、守備陣が再びペイトリオッツ攻撃を封じ込め、再び得点のチャンスを得た。ライアンは落ち着いた様子でWRテイラー・ガブリエルとジョーンズに立て続けにパスを通して敵陣まで攻め込む。最後は新人タイトエンド(TE)オースティン・フーパーがライアンからの19ヤードパスをエンドゾーンでつなげてタッチダウンを収め、ファルコンズがリードを14点に広げている。

反撃に出たいペイトリオッツは、敵のペナルティに助けられながら敵陣まで進んだが、ブレイディがWRダニー・アメンドーラを狙って放ったパスを敵守備陣のコーナーバック(CB)ロバート・アルフォードにインターセプトされてしまう。アルフォードがそのまま82ヤードを走ってリターンタッチダウンを挙げ、ファルコンズが前半で試合の主導権を握る流れとなった。クオーター終了前にはペイトリオッツが敵陣15ヤードまで攻め込んだが、タッチダウンを奪うことができず、最終的にはフィールドゴールを決めてスコアを21対3とし、ファルコンズにリードされたまま前半を終えている。

後半に入ってもファルコンズは手を緩めることなく攻撃を続け、クオーター序盤にはライアンからテイラー・ガブリエルへの35ヤードパスなどで簡単に敵陣へと前進。ドライブの最後はコールマンがライアンからの6ヤードパスをつなげて難なくタッチダウンを成功させ、さらにペイトリオッツを突き放す。ペイトリオッツも直後のドライブではブレイディがパスに加え、自ら15ヤード走るなどして敵陣まで攻め入った。ペイトリオッツはここでブレイディからRBジェームス・ホワイトへの5ヤードパスでタッチダウンするも、キッカー(K)スティーブン・ゴストコウスキーが直後のエキストラポイントキックを失敗してしまい、サイドラインでヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックが落胆する姿が見られた。

大量リードを許して最終クオーターに突入したペイトリオッツは、ブレイディからTEマーテラス・ベネットへの25ヤードパスでエンドゾーン手前まで進むも、ブレイディが再びジャレットにサックされ、結果的にタッチダウンではなくフィールドゴールで点差を16点に縮める。ペイトリオッツ守備陣もここで意地を見せ、MLBドンタ・ハイタワーがライアンからサックを決めると同時にファンブルを誘い、ペイトリオッツが敵陣でボールをリカバー。ペイトリオッツはこのチャンスにブレイディからアメンドーラへの6ヤードパスでタッチダウンし、直後の2ポイントコンバージョンも成功させて一気に8点差に詰め寄った。

直後のドライブでファルコンズもジョーンズがサイドライン際で見事なキャッチを見せるなどして一度はフィールドゴールレンジまで進んだが、サックと味方のペナルティでフィールドゴールを狙えない距離まで後退を強いられる。試合時間3分あまりを残してボールを手にしたペイトリオッツ攻撃陣は、ブレイディからWRクリス・ホーガン、WRマルコム・ミッチェルへのパスで順調に前進。その後も、エデルマンが一度ディフェンスに弾かれたブレイディのパスを、地面すれすれのところでキャッチするビッグプレーを披露して敵陣に進入。勢いに乗ったペイトリオッツはさらにブレイディからホワイトへの7ヤードパスで敵陣1ヤードまで攻め込み、最後もホワイトが押し込んでタッチダウン。直後にはアメンドーラがブレイディのパスをつなげて、2ポイントコンバージョンを成功させ、ペイトリオッツが土壇場で試合を振り出しに戻してみせた。

これにより試合はスーパーボウル史上初の延長戦に突入する。

延長戦で最初にボールを手にしたペイトリオッツは、第4クオーターの勢いを失うことなく、再びブレイディがアメンドーラ、ホーガンへのパスを通して敵陣まで進む。ペイトリオッツは、その後も敵のペナルティで敵陣2ヤードまで前進し、最後はホワイトが押し込んでタッチダウン。ペイトリオッツがスーパーボウル史上最高の逆転劇でNFLの頂点に返り咲いた。

ペイトリオッツQBブレイディはパス62回中43回成功、466ヤード、2タッチダウン、1インターセプトと、これ以上ない試合内容で前代未聞の逆転劇を演出し、MVPに選ばれた。RBホワイトはレシーブ14回、110ヤード、1タッチダウンとRBながらパス攻撃の中心となって勝利に貢献している。エデルマン、アメンドーラ、ホーガンといったレシーバー陣も前半はファルコンズ守備陣に苦しめられながらも、辛抱強くブレイディを支え続けた。

ファルコンズQBライアンもパス23回中17回成功、284ヤード、2タッチダウンと申し分ない活躍を見せている。WRジョーンズはレシーブ4回、87ヤード、RBフリーマンも11キャリー、75ヤード、1タッチダウンをマーク。前半を中心に奮闘した守備陣は最後の最後に踏ん張り切れず、悲願のスーパーボウル制覇は夢と消えた。