ブロンコスOLBウェアが引退を宣言
2017年03月14日(火) 09:43ここ10年に1人の逸材と言われたパスラッシャーがそのキャリアに幕を閉じる。
フリーエージェントのアウトサイドラインバッカー(OLB)デマーカス・ウェアが現地13日(月)、フットボールからの引退を宣言した。
ウェアは『Twitter(ツイッター)』上で「いろいろ悩んで決めた結果、NFLのキャリアを引退して未知の世界に飛び込む決心がついた。良いオファーもたくさん届いてはいたが、フットボールへの思いや情熱よりも先に、これからの長い人生や体のことを考えるようになった」と投稿。
続けてウェアは「以上を踏まえ、私をここまで育ててくれたたくさんの人にこの場を借りて感謝を述べたい。フットボールの偉大さを感じさせてくれたダラス・カウボーイズ、デンバー・ブロンコスに感謝する」と述べている。
ウェアは12年のキャリアで138.5サックを記録しており、この数字はNFL史上8位にランクイン。引退したトップ10の全ての選手が後にプロフットボール殿堂入りを果たしていることから、ウェアも投票の対象となり次第すぐの殿堂入りが予想される。
100試合以上に出場した選手の中でも、1試合平均サックはレジー・ホワイトの0.85とローレンス・テイラーの0.79に次ぐ0.78サックを記録してNFL歴代3位に君臨するウェア。
2005年、トロイ大学からドラフト全体11位で指名されたウェアはすぐにダラス守備陣の中核を担うようになった。プロボウル9度出場、オールプロチーム4度選出のウェアはその身体能力の高さ、1歩目の強さ、そしてその尽きない体力をテイラーと比較されることが多かった。
キャリア絶頂期を迎えていた7年間でウェアが記録したシーズン平均14.7サックに及ぶ選手はほとんど見当たらない。ウェアは2006年と2012年にリーグ1位を記録している。
ここ3年間は負傷によって鳴りを潜めていたウェアだったが、そのリーダーシップとチームへの貢献がなければブロンコスの第50回スーパーボウル制覇は成し遂げられなかっただろう。ウェアは2015年ポストシーズンの3試合で3.5サック、8クオーターバック(QB)ヒット、11ハリーをマークしている。
ウェアが秀でているのはフットボールの実力だけではない。チームメイトやコーチ、相手チームからも尊敬される超一流の選手なのだ。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のジェームズ・パーマーは「アキブ・タリブからメールをもらった。彼が言うには“(ウェアの引退について)驚きの決断だ。彼ならまだまだできるのに。100%そうだと信じている。彼と知り合えたことに感謝だし、彼と一緒にプレーできたことを誇りに思う”とのこと」とタリブのメッセージを読み上げた。
またパーマーは「エマニュエル・サンダースからもメールが来ている。“ウェアは偉大な選手だが、それよりもまず素晴らしい人物である。ウェアはこのチームにペイトン・マニングがいた時の守備選手。誇り高き不屈の精神を持った偉大な選手だった”」と紹介している。