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QBフラッコ負傷のレイブンズ、キャパニック獲得を検討

2017年07月28日(金) 10:11


コリン・キャパニック【AP Photo/Tony Avelar】

ボルティモア・レイブンズが急きょ、新たにもう1枚のクオーターバック(QB)を探すこととなった。現在その候補の中にコリン・キャパニックの名前が挙がっている。

ヘッドコーチ(HC)ジョン・ハーボーも現地27日(木)、トレーニングキャンプの練習後にチームがキャパニック獲得を議論していることを認めた。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロは26日、エースQBのジョー・フラッコが腰の負傷によって3週間から6週間離脱する可能性を報じている。同チームには現在、健康なQBは2人しかない状況で、ランキング的にはライアン・マレットがチームの2番手である。

キャパニックはサンフランシスコ・49ers時代にハーボーHCの弟であるジムの下でプレーした経験を持ち、第47回スーパーボウルではジョンとの対戦経験もある。

兄のジョンHCはこのように語った。

「コリンについては弟を通して何年も前から知っている。じかに話をして彼のことをよく知るようになった。それに、実際にこの目で試合中の彼も見ているんだ。この夏にもコリンとは何度か話し合ったし、電話では良い感じに話ができたと思う。そこでの会話もはずみ、より彼のことを知ることができた。私は彼の経歴や哲学も好きだ。また、彼とは議論も行ったがそれも楽しかった。彼はすばらしい選手。現在、彼についてはチームで話し合っている。どうなるのかはこれから次第だが、まだ今のところは“熟考中”としか言えない。コリンは本当に良い選手だし、彼が今季にNFLでプレーすることは間違いないと思っている」

レイブンズにとって今回の動きは当然のこととも言えよう。もしフラッコの負傷が深刻であれば、チームは窮地に追い込まれてしまう。地元紙『The Baltimore Sun(ザ・ボルティモア・サン)』のジェフ・ズレビークによれば、同チームはQBのポジションにマレットとダスティン・ボーンしかいない現状を踏まえ、新たに練習でQB役を務めるアシスタントコーチを雇用する意向だとのことだ。同HC自身がフラッコは1週間で戻ってくるはずだと語る一方で、チームがもう1枚のQB獲得に動くということは何を意味するのだろうか。

ハーボーは「昨日、(ジョーの)負傷がどんなものであるか分かった・・・ここ数週間、彼を悩ませていたのはそれだったに違いない。彼はそのことについて何も言わなかったんだ。そこまで深刻なものでもなく、ちょっとした炎症だ。彼は専門医にも診てもらっている。医者からは数週間の休養が必要だとのこと。われわれもしっかりと経過観察しろと言われている。腰ということもあり、復帰時期がいつになるのかは判断しかねる。腰の専門医的には1週間あれば良くなるようだ。もちろん、われわれもそうなることを願っている」とコメントしている。

万が一、レイブンズがキャパニックを獲得した場合には49ersをオプトアウトしてからの長かったフリーエージェント(FA)生活にようやく終止符が打たれることになる。キャパニックが3月初旬にサンフランシスコを去って以来、同選手が話し合いを始めるより前に市場にいた多くのQBがすでに次なる新天地を決めていた。キャパニックだけがFA市場に残されたのは、先シーズン、国歌斉唱中に膝をついて社会の不平等を訴えたことが一因だと考えられる。

ハーボーは公(おおやけ)に同選手の考え方に対する発言を行った数少ない現役HCであり、 そんなHCが“熟考中”というからにはこれは注目に値する動向だろう。キャパニックのレイブンズ入りが決まれば、現在はレイブンズで攻撃コーディネーター(OC)を務めるグレッグ・ローマンとサンフランシスコ以来の再会を果たすことにもなる。

先シーズン、29歳のキャパニックは49ersの先発QBとして1勝10敗、2,241ヤード、16タッチダウン、4インターセプトを記録している。同選手はまた、自らの足でも468ヤード、2タッチダウンをマークした。

経験豊富なバックアップとしてだけではなく、守備に重点を置くHCたちにとってキャパニックの高い能力にはキャンプ中の守備選手を鍛えるという意味でも獲得する価値がありそうだ。