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抗議運動について各チームのプレーヤー、オーナーらがコミッショナーと会議

2017年09月29日(金) 11:30


フィールドに描かれたNFLのロゴマーク【Al Messerschmidt via AP】

NFLの選手8人とNFLチームの半数以上のオーナーが現地26日(火)、ニューヨークにあるリーグ本部で“社会的問題”についてNFLコミッショナーのロジャー・グッデルとの会議に参加した。これは『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが伝えたもの。

多数のチームオーナーは10月に予定されている秋季リーグミーティングに参加するために今週の前半からニューヨーク入りしていた。ラポポートが伝えるところによると、グッデルコミッショナーが社会的問題について選手やオーナーによる直接的な見解を聞く機会を設け、シーズン第3週に起きた試合前の国歌斉唱中における選手らの行動に関しての理解を深めようと試みたようだ。

『TNF First Look Live(TNFファースト・ルック・ライブ)に出演したラポポートは「5チームからの8選手がこの会議に参加したと思われ、彼らはグッデルやオーナーと現在直面している問題点について話し合ったとのこと。選手らは社会的問題をより明るみに出したいようだ。なぜ選手には膝をつく者がいるのか? 国歌斉唱に参加しない選手がいるのはなぜか? 先週は選手らによる抗議の意志がさまざまな形で表明された。効果的な面もあったが、度を越した面もある。社会的問題がこのようになる傾向はあるものの、全体を通して見ても、全ての国民にとってポジティブな動きであったことに違いはない」とコメント。

この会議に参加した選手の1人にはニューヨーク・ジャイアンツのディフェンシブエンド(DE)ジョナサン・カシージャスがおり、会議が2時間におよんだことや“生産的”な話し合いが行われたことなどを記者に対して明かした。カシージャスはまた、チームの共同オーナーであるジョン・マーラが会議に出席していたことも伝え、同オーナーとカシージャスはジャイアンツの選手に対して国歌斉唱中に起立するように呼びかけはするが、地面に膝をつく選手の意志も尊重するつもりだと表明した。

ニューイングランド・ペイトリオッツのコーナーバック(CB)デビン・マッコーティも同チームのオーナーであるロバート・クラフトと共に今回の会議に出席している。マッコーティは同会議について現状を理解するための“とてもユニークな機会”だったと表現している。

同会議は22日金曜日にアメリカのドナルド・トランプ大統領が支援者集会で行った演説の中で、試合前の国歌斉唱時に起立しない選手たちをチームオーナーは首にすべきだとの発言があった4日後に開かれた。大統領の無神経かつ暴力的とも言える発言を受け、シーズン第3週の全チームが国歌斉唱中に平和的な抗議運動を起こし、選手間の結束の強さを見せつけた。

最後にカシージャスは次のようにも述べている。

「全体的に見て、(コリン)キャパニックの行動にはまだ完璧な答えは出ていないと思う。今回はオーナーやコーチ、全ての人を巻き込んだNFL全体での行動だった。コリンとローザ・パークスを比較したくはないが、この状況はそれと似ている。ローザ・パークスがバスの前に居座って起き上がらなかったのは、当時の米国民にとってはかつてない衝撃だったはず。白人への反発、国家への反発、そして制定された法律への反発はクレイジーなことだと捉えられたに違いない。当時はその法律があったのだからね。だが、黒人や社会的マイノリティの人々はローザ・パークスの勇気ある行動に助けられた。彼女の行動が物事を変えた。法律が改正されたのはこの時なのだからね。あの時のキャパニックは誰からのサポートも受けずに膝をついた。今は“よし、じゃあ自分たちも彼と共に膝をつくか”という感じだ。われわれは本当にキャパニックの考えに同調しているのか? いったい何のために自分たちは膝をつくのか? トランプ大統領の発言に抗議したいだけでないことを祈っている」

【S】