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カウボーイズRBエリオットの聴聞会実施

2017年10月03日(火) 11:48


ダラス・カウボーイズのエゼキエル・エリオット【AP Photo/Ross D. Franklin】

現地10月2日(月)、米国連邦控訴裁判所のメンバーがダラス・カウボーイズのランニングバック(RB)エゼキエル・エリオットへの出場停止処分保留を求めた訴訟に関する公聴会を実施した。これはエリオットの出場停止処分を保留とした仮差し止め命令に対してNFL側が求めた緊急手続き停止申請についてNFL側と選手会側、双方の担当弁護士からの主張を聴聞するためのものであった。

ニューオーリンズにある米国連邦第5巡回区控訴裁判所の3人の判事がNFL側による緊急手続き停止申請について検討している。仮に同控訴裁判所がこの緊急手続き停止申請を受理、あるいは、仮差し止め命令を延期した場合、エリオットへの6試合の出場停止処分が即時に実施される可能性もある。また、差し止め命令が覆らなかった場合は審理継続となるため、エリオットは2017年シーズンにフル出場できる見込みが出てくる。

NFL側による主張の一つには緊急手続き停止申請に関し、エリオットへの停止処分が即時に実行できないことでリーグが修復不可能な被害を受けているとしている。

NFL側はまた、6試合の出場停止処分の取り消しを求めた選手会からの訴えを“即刻”棄却することも求めているようだ。

先週、NFL側の担当弁護士は第5巡回区控訴裁判所への申請の際、「正しい判断の下、この裁判は何度も同じ道筋を辿ってきた。連邦裁判所が救済措置を与えることのできなかった訴訟においては処分が先延ばしになったとしても希望のある結果は訪れず、すぐさま棄却されるだろう」と記していた。

一方の選手会側は、リーグによるエリオットへの調査の際、停止処分を科す前のNFLコミッショナーのロジャー・グッデルが何を知っていたのかを明らかにすること、そして、“信憑性のある証拠”とされるものが本当に基準を満たしているものなのかどうかを再確認する必要性を説いている。

地区連邦地方裁判所のエイモス・マッツァント三世判事はより深く検討する必要があるとの理由でエリオットへの処分取り消しを求めたNFL選手会による差し止め命令を受理した。

これに対し、NFL側の不服申し立ては今シーズンのエリオットの出場停止処分を即時実行するためのものであり、団体労働契約の第46項に記載された“悪質な行動”に基づく制裁処分がNFLのコミッショナーであるロジャー・グッデルの権限によって実行されることを確認するものである。

マッツァント三世判事は停止処分の差し止めを決定した際、グッデルコミッショナーから指名を受けた仲裁人ハロルド・ヘンダーソン氏による控訴尋問でエリオットが公平な審理を受けていなかったと訴える選手会に同意する様子を見せていた。

グッデルコミッショナーはNFLによる1年以上におよぶ調査を経て、エリオットがNFLの規定する個人行動規範に違反しているとして開幕6試合の出場停止処分を言い渡した。これはエリオットが起こしたとされる元恋人のティファニー・トンプソンさんに対する暴力事件に関しての制裁だ。NFLが今年8月に発行した声明の中ではエリオットが2016年7月の5日間中3日間でトンプソンさんに対して暴力を振るったとの記載もあった。

22歳のエリオットはこの訴えを否定しており、この件に関してこれまでにエリオットが逮捕、または、制裁を受けたことはない。

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