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ジャイアンツがついにHCマカドゥーとGMリースを解任

2017年12月05日(火) 09:34

ニューヨーク・ジャイアンツのベン・マカドゥー【AP Photo/Bill Kostroun】

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは現地4日(月)、ニューヨーク・ジャイアンツのヘッドコーチ(HC)ベン・マカドゥーが解任されたと報じた。

ジャイアンツは同時にジェネラルマネジャー(GM)ジェリー・リースの職も解いている。オーナーのジョン・マーラは月曜日の晩、記者会見でこの2つの動きを認めた。

4日、マーラオーナーは「ベン・マカドゥーと会い、一生懸命に仕事をしてくれたこと、プロ意識を持った取り組み方など、このチームで彼がしてくれた全てに対して感謝していると伝えた。将来的に彼はいつかまたヘッドコーチとしてすばらしい活躍をしてくれると思っている。ここでの経験を必ず生かしてくれるはずだ。彼なら可能だし、また必ずヘッドコーチとして成功するだろう」と語り、次のように続けている。

「2人(マカドゥーとリース)とも、メディアに映る人物像とは違ってこのチームにおいて本当にプロフェッショナルだった。彼らは常にこのチームの未来を考えてベストであろう決断を下してくれた」

今後、残りのシーズンは守備コーディネーター(DC)のスティーブ・スパグニョーロが一時的にHCを、ケビン・エイブラムスがGMを務める。マーラオーナーはまた、元ジャイアンツのGMアーニー・アコーシが新たなHCとGMを探す際のコンサルタントを務めるとも述べた。

これらの動向はジャイアンツが3日に行われたオークランド・レイダース戦に24対17で敗戦し、今シーズン10敗目を喫した翌日に明らかになったものだ。

元HCとなったマカドゥーはレイダース戦後、「任されている限りは私が指揮官として働く。ここにはすばらしい選手たち、コーチたち、チームスタッフがいるんだ。明日からまた気合を入れなおし、次戦に向けて修正点を整理する」と語っていた。

昨年はジャイアンツをプレーオフに導いていたマカドゥーだが、HCとしては2年も持たずに解任となった。40歳のマカドゥーは13勝15敗の戦績を残してジャイアンツのHCを離任する。2016年から2017年にかけてジャイアンツは勝率を約5割以上も落とした。『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、ジャイアンツの攻撃陣はマカドゥーがHCに着任してからというもの、過去最低の1試合平均得点17.8点を記録し、1試合平均獲得ヤードは314.7ヤードでリーグ30位に沈んでいる。2016年以降でジャイアンツの数字を下回っているのはクリーブランド・ブラウンズとシカゴ・ベアーズのみとのことだ。

今回の動きの背景には、先発クオーターバック(QB)をイーライ・マニングからジーノ・スミスに交代させたという大きな決断もあったようだ。

ラポポートは3日、ジャイアンツのオーナーシップを持つメンバー数人がマニングの起用のあり方に納得がいっておらず、マカドゥーの処遇に関する激しくも深刻な内部討論が行われた模様だと伝えていた。

シーズン中にHCとGMを共に解任するパターンはジャイアンツにとって異例だが、チームの内部統制はもはや崩壊しかけていたのかもしれない。

オーナーは先月中旬、今後もシーズン終了後まではマカドゥーをサポートするつもりだという声明を発表していたばかりだった。しかしながら、マニングの起用法がチーム内部からの信頼を失墜させたのだろう。先週の29日、マーラオーナーはマカドゥーの職に“保証はない”と明かしており、その数日後、実際にジャイアンツはHCとGMを解任することとなった。

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