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ジャイアンツ、先発QBをマニングに戻す可能性も

2017年12月05日(火) 11:59


ニューヨーク・ジャイアンツのイーライ・マニング【AP Photo/Nick Wass】

現地4日(月)にニューヨーク・ジャイアンツがヘッドコーチ(HC)のベン・マカドゥーを解任した流れを受け、イーライ・マニングが先発クオーターバック(QB)に戻る可能性が浮上している。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは仮にジャイアンツが先発をマニングに戻したとしても不思議ではないと指摘。先週、史上2番目の長さとなるマニングの210試合連続出場という記録が途切れたばかりだ。

何はともあれ、マニングならばこの先発復帰を歓迎するだろう。

4日、地方ラジオ番組『WFAN-AM』に対してマニングは「そうなったらうれしい。先発クオーターバックになりたい。今日だってその練習をしている。(暫定ヘッドコーチのスティーブ)スパグニョーロとも少し話をした。彼が新ヘッドコーチだと伝えられてから30分後のことだ。先発クオーターバックになりたいとスパグニョーロに伝えた。先発として出場し、残りの4試合に勝ちたい」と心境を明かし、「カウボーイズ戦から出場できることを願っている」ともつけ加えた。

マニングの先発起用はチームの軌道修正の試みだろうとラポポートは伝えている。また、この動向にはマニングの起用法に不満を噴出させていたロッカールーム内やファンをなだめる効果もあるだろう。

ジャイアンツのオーナーであるジョン・マーラは記者に対し、スパグニョーロが今後の先発QBに関する指名権を持つことになると伝えた。

「スティーブとはすでに話し合っているが、彼はまだ全体の流れを把握しているところだ。スティーブは攻撃陣のスタッフとも協議したいと話しており、その後は(一時的な新GM)ケビン(エイブラムス)と私とも協議する予定。誰がクオーターバックを務めるのかに関してはスティーブの判断に任せるだろう」

先週はマニングをベンチに下げ、ジーノ・スミスと新人デイビス・ウェッブの起用で実力を試そうとしたジャイアンツ。先発するものの、どこかのポイントで若いQBを起用するというチーム方針を告げられたマニングは、連続出場記録を延長させるためだけの先発出場を拒んだ。

ジャイアンツがマニングに先発QBの座を返還した場合でも、マニングのパフォーマンス次第ではチームがスミス、あるいは、ウェッブを起用する可能性は残っているともラポポートは指摘している。

先週末のオークランド・レイダース戦に先発したスミスは34回のパスを投じて21回の成功、212ヤード、タッチダウンパス1回を決めた一方、2回のファンブル、3度のサックも喫している。ターゲットとなる選手がほぼおらず、穴だらけのオフェンシブライン(OL)下でのスミスのパフォーマンスは今季のマニングとそう変わらず、そこに判断を下すのは難しいだろう。

鉄人マニングの連続出場をストップさせた翌週に先発復帰が話題になるこの状況は、マカドゥーの決断がいかに不適切だったかを示すことにもなる。もはや望みのないシーズンで若いQBたちを起用したいという理由があった一方、元ヘッドコーチ(HC)のマカドゥーと元ジェネラルマネジャー(GM)ジェリー・リースが方針を誤ったのは歴然としている。しかしながら月曜日、マーラオーナーはマニングの起用法がHCとGMの解任を招いたといううわさを否定した。

マーラオーナーは「それは全く関係ない。2勝10敗という結果が全てだ。ファンの皆がマニングの起用法に喜んでいなかったのは確かだが、そのことは今回の決定に関連していない」と語っている。

『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、マカドゥーがHCに着任してからというもの、ジャイアンツ攻撃陣は過去最低の1試合平均得点17.8点を記録し、1試合平均獲得ヤードは314.7ヤードでリーグ30位に沈んでいる。2016年以降でジャイアンツの同平均獲得ヤード数を下回っているのはクリーブランド・ブラウンズとシカゴ・ベアーズのみとのことだ。

マニングに先発を戻すことでオーナーらは少しでも罪の償いをするつもりなのだろう。過去を変えることはできないが、それでも、以前にジャイアンツをスーパーボウル制覇へ導いたエースQBマニングに先発の座を返還することでチーム内に響き渡る不協和音は少しでも静まるかもしれない。

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