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ファルコンズWRジョーンズがキャンプ不参加でホールドアウトへ

2018年07月25日(水) 10:34


アトランタ・ファルコンズのフリオ・ジョーンズ【AP Photo/Steven Senne】

アトランタ・ファルコンズはチームのベストプレーヤー不在でトレーニングキャンプを開始することになりそうだ。

情報筋の話を元に『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは現地24日(火)、ワイドレシーバー(WR)フリオ・ジョーンズにはキャンプに参加するプランがないようだと報じた。ラポポートによると、ジョーンズはキャンプの全日程を欠席することもいとわない構えだとのことだ。

今オフシーズンのジョーンズは新契約の締結を願ってチームのワークアウトを全て欠席していたが、今月初旬にクオーターバック(QB)マット・ライアンが開催したパスキャンプには参加していた。

ジョーンズの現行契約にはまだ3年が残る中、チームはオールプロWRの要求に黙って首を縦に振ることにためらいを見せている。NFLネットワークのトム・ペリセロは以前、ファルコンズのフロントはジョーンズに対して2018年シーズン終了後に契約交渉を行うと約束したとも報じていた。

ジョーンズにとって、その条件で妥協できるものではないようだ。

ラポポートは『Twitter(ツイッター)』でこのように投稿している。

「アトランタにいる彼、つまり、ファルコンズのWRフリオ・ジョーンズは模範的なチームメイトであり、彼の強硬な姿勢にチームの数人は驚いているようだ。しかし、一歩フィールドの外に出れば、ジョーンズは物分かりの良いビジネスマンでもある。彼はその価値を知っているのだ。それゆえ、今回の件は彼本来の動きであるということでもある。いずれにせよ、チームはしばらくの間彼の姿を見ることはなさそうだ」

ジョーンズは2015年に延長した5年7,125万ドル(約79億円)契約の3年目を迎えており、2020年シーズンが終了するまで続くこの契約にはまだ3,440万ドル(約38億3,000万円)分の支払い分が残っている。現在のジョーンズは1シーズン平均で1,425万ドル(約15億9,000万円)の契約下におり、これはリーグ全体を通したWRの中で9番目の年俸となっている。

29歳のWRは自分自身の価値が現状よりも高いと信じており、これを証明するためにキャンを欠席しているのだ。CBA(団体交渉協約)によれば、ファルコンズはジョーンズに対してキャンプ欠席1日につき最大40,000ドル(約445万円)までの罰金を科すことも可能だ。

まだ3年の契約期間を残すジョーンズにファルコンズが新たな契約を与えるのは当初から難しい話だと思われていた。NFLの各チームは一般的に、契約の新機軸を設定することを嫌う。ジョーンズが唯一持つ武器を最大限に生かすのであれば、それはサービスの停止であり、ホールドアウトということになる。

ジョーンズがトレーニングキャンプを欠席するということは、ファルコンズに考えを改めさせようと最終手段を行使するという意味だ。チームがどのような反応を見せるかによって、ホールドアウトがどのくらいの期間に及ぶのかも変わってくるだろう。ジョーンズが主張を貫こうとレギュラーシーズンの試合を欠場するともなれば、アトランタでのこの一件は泥沼の展開を迎えることにもなりかねない。

ファルコンズはフィラデルフィアで厳しい初戦を迎え、その次にはカロライナ・パンサーズ、そして、ニューオーリンズ・セインツとの対戦を控える。仮にジョーンズが欠場する中でヘッドコーチ(HC)ダン・クイン率いるファルコンズが出だしからつまずくようなことがあれば、スーパーボウル出場も狙えるシーズンが早々に夢破れる可能性も考えられる。そういった悪夢のような状況に陥る場合、1993年にホールドアウトしたエミット・スミスの例を繰り返さないためにチームがジョーンズの要求に応えるのは理にかなっているのかもしれない。

現時点でのジョーンズは、来年ではなく、今シーズン中の賃金上昇をかたくなに希望している。

【S】