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ブロンコスのQB順位が逆転、リンチの降格でケリーが2番手に

2018年08月14日(火) 12:30


デンバー・ブロンコスのパクストン・リンチ【AP Photo/Mark Reis】

デンバー・ブロンコスのバックアップクオーターバック(QB)争いにおいて、パクストン・リンチが厳しい状況に追い込まれた。

プレシーズンゲーム初戦で散々なパフォーマンスを露呈した2016年ドラフト1巡目指名選手のリンチが現地13日(月)に行われた練習でサードチームに降格。リンチはミネソタ・バイキングスのセカンドチームのディフェンス陣を相手に11回のパスを投じて24ヤードしかゲインできず、インターセプトも1回喫している。一方、チャド・ケリーは21回のアテンプトで177ヤード、タッチダウン2回をマークしたことからもリンチが危機に直面したのは間違いない。

13日、先発QBケイス・キーナムに次いでケリーが繰り上がったことに驚きはなかった。2017年ドラフト7巡目指名を受けたケリーは投球側の手首の靭帯修復手術を受けたことによってルーキーイヤーの昨年を棒に振っている。

ミシシッピ大学の元スターQBであるケリーは大きく振りかぶって投球するのが特徴的だが、それでもダウンフィールドや狭いウインドーにパスを出すことにためらいを見せない選手だ。バッファロー・ビルズの伝説的選手、ジム・ケリーの甥っ子にあたる彼は手首の事情やフィールド外での問題が疑問視されていなければ2017年ドラフトでも7巡目のはるか前に指名されていてもおかしくはなかった。

ケリーがナンバー2のポジションを奪取した今や、デンバーでのリンチの居場所はなくなりつつある。

ジェネラルマネジャー(GM)ジョン・エルウェイはリンチを育成プロジェクトの対象として指名したことを強調し、今オフシーズン中にはチームがリンチを“端に追いやること”はないと主張していた。しかしながら、ロースターが53名へと絞られる今月末までに、エルウェイGMの我慢が限界に達する可能性はある。スペシャルチームに流動性を持たせるため、レギュラーシーズンには2人のQBで臨むチームが多数を占めている。

リンチがファイナルカットで生き残れなかった場合、ダラス・カウボーイズがウェイバーで名乗りを挙げるチームとなるかどうかは興味深い。カウボーイズオーナーのジェリー・ジョーンズはドラフトデーのトレード時、投資の上積みを拒んだことをその直後に後悔していた。ジョーンズオーナーのその拒絶がエルウェイGMによるドラフト1巡目最後でのリンチの逆転指名を呼び込むこととなっていた。

ジョーンズオーナーが再生プロジェクトとしてリンチ獲得に興味を示した場合でも、今回ばかりは多額を投資する必要はないはずだ。

【S】