ジェッツ、トレードでQBブリッジウォーターをセインツに放出
2018年08月30日(木) 09:31ニューオーリンズ・セインツのヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトンがようやく未来のクオーターバック(QB)を見つけたかもしれない。
現地29日(水)、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは現地の情報筋の話を元に、ニューヨーク・ジェッツがQBテディ・ブリッジウォーターに加え、2019年6巡目ドラフト指名権をセインツとトレードしたと報じた。NFLネットワークのマイケル・シルバーによると、セインツは補償として2019年3巡目のドラフト指名権をジェッツに譲渡するようだ。
セインツは後にこのトレードを正式に認めている。
2016年オフシーズン中のフィラデルフィア・イーグルスとも似ているが、ジェッツのジェネラルマネジャー(GM)マイク・マッカグナンはQBの数を確保し、順列が決まった段階でその中の1人を使って取引を行うといったゲームプランに出た。待望のフランチャイズQBとされる新人サム・ダーノルドをレギュラーシーズン第1週に先発起用し、ベテランQBジョシュ・マッコウンをその黄金ルーキーのメンターとして機能させる中、チームにとって余剰となった保険的QBに対する600万ドル(約6億7,000万円)の支払いは合理的ではなかったようだ。
オフシーズン中からの練習を通して好調を維持してきたブリッジウォーターはプレシーズンでもリーグ全体をうならせるパフォーマンスを披露し、2年前に起きた選手生命をも絶たれかねなかった膝の大ケガの影響をほぼ全く感じさせていなかった。
2014年、ミネソタ・バイキングス在籍時のブリッジウォーターは美しいほどのパス精度や俊敏性、賢明な判断能力を見せてペプシ・ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。この時のブリッジウォーターは38回中28回のパスを成功(73.7%)させ、316ヤード(1アテンプト平均8.31ヤード)、タッチダウン2回、インターセプト1回、104.7パサーレーティングをマークしていた。
今やブリッジウォーターは将来的に殿堂入り確実とされるドリュー・ブリーズのバックアップとなり、元ヒューストン・テキサンズのトム・サベージと比較すれば、確実にバックアップQBの戦力は上がったと言えよう。1年のみの契約下にいるものの、今後の契約延長を受け入れることで、ブリッジウォーターはブリーズの後任を務めることも可能となり、リーグの中でもトップクラスの攻撃的マインドを持ったペイトンHCから学ぶチャンスも得られる。
ジェッツはブリッジウォーターへの50万ドル(約5,500万円)の投資をドラフト3巡目の指名権へと巧みに変換した。今年のドラフト時にはすでにディフェンシブエンド(DE)マーカス・ダベンポートをトレードで獲得するという賭けに出ていたセインツだが、今回は何よりも重要となるQBルームに対しても大きな勝負に出た。
ロースターの強みやチーム建設努力における攻めの姿勢から判断するに、今年のセインツにはスーパーボウル進出の可能性もあれば、プレーオフにも届かないといった極端な道をたどる可能性がありそうだ。
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