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ビルズCBデービスがチャージャーズ戦のハームタイム中に突然の引退

2018年09月17日(月) 11:53


バッファロー・ビルズのボンタエ・デービス【AP Photo/Adrian Kraus】

ベテランコーナーバック(CB)ボンタエ・デービスが今後はもうチームのために働くことができないと気付くまでに6クオーター分の時間がかかった。

異例中の異例ではあるが、シーズン第2週に対戦したロサンゼルス・チャージャーズとの試合中、ハーフタイムに引退を表明。即時有効となった引退表明により、後半にデービスがフィールドに姿を現すことはなかった。ビルズはチャージャーズに31対20で敗れている。

ビルズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクダーモットは試合後の記者会見中にこの動向について認め、「ボンタエは自分自身で試合から退いた。彼はわれわれにもう終わりだと伝えてきた」と明かした。

ビルズのラインバッカー(LB)ロレンゾ・アレキサンダーは記者に対して、デービスが突然ハーフタイムに引退したと語り、アレキサンダーはデービスの行動について“完全なる無礼”だとも評した。

『ESPN』によると、アレキサンダーはこのように語ったという。

「あんなの一度も見たことないぞ。ポップ・ワーナー(青少年向けのフットボールプログラム)、高校、カレッジ、プロでさえなかった。聞いたことがないし、見たこともない。チームメイトに対して無礼すぎるだろう。彼は誰にも言ってなかった。たぶん、みんなも一緒だと思う。後半に向かう時になってようやく分かったんだ。みんなが“ボンタエは出てこない、引退した”と言ってきたんだ」

これまでにもビルズが厳しいシーズンを強いられるのは見てきたが、ハーフタイム中に引退する選手ともなると前代未聞だ。デービスはインディアナポリス・コルツで6シーズンを過ごした後、今年2月にビルズと契約を交わしていた。

デービスの引退となれば、今シーズンのビルズのディフェンスにとってはパスゲームにおける大きな損失となるはずだ。しかしながら、マクダーモットHCやジェネラルマネジャー(GM)ブランドン・ビーン、そして、ビルズの選手らがハーフタイム中に勝手に引退した選手を再び快く迎え入れるとは想像しがたい。

16日、デービスは引退を決めた理由を声明文で次のように説明した。

「このようなNFLからの引退を思い描いていたわけでない」

「ただ、NFLでの10シーズンを通して、自分の身体でできる限りのことはやってきた。キャリアを通して手術を何度か経験したし、たくさんのさまざまなケガも経験した。そして、ここ2、3週間にわたって、最後の肉体的な問題が訪れた」

「でも、今日、フィールドに立った時、“俺はもうここでプレーすべきじゃない“という厳しい現実が突如として頭をよぎった」

「チームメイトやコーチたちに無礼を働くつもりはなかったけれど、自分の気持ちは変わらなかった。精神的に言えば、自分は常に高いレベルでのプレーを自分に望んできた。それでも、肉体的には今日、もうそれが可能でないことを悟った。自分自身に正直な瞬間がやってきたんだ。フィールド上にいた時、正しいと感じることが何もなかった。コーチには言ったんだ、“何か自分ではない気がする”と」

「同時に、自己犠牲をこのまま続けるべきかどうか迷った。正直に言えば、そうするつもりはない。なぜならシーズンは長すぎるし、頑固なまでに戦士のメンタルを持ち続け、手に負えないケガを負いながら引退するよりも、自分にとって、さらには自分の家族にとって、健康な状態のままでその場を去る方が重要だと思ったんだ」

「この決断は少し大事になってしまった。ただ、自分と家族に対しては安らかな気持ちでいる。1人の子供として大好きだったフットボールを30歳になるまでプレーさせてくれたことを神様に感謝しようと思う。ここ10年間を通して、NFLに入って人生の友を作れたことを神様に感謝する。ここまでの道のりにはたくさんの障害もあったけれど、全てのことに対して神様には感謝している。神様は誰一人に対しても簡単な人生を用意していないのだから」

「最後に、この先、自分の人生の次なる章についても、神様がまた何か用意してくれていることに感謝している」

【S】