パッカーズLBマシューズ、「NFLはペナルティの判断が緩くなっている」
2018年09月24日(月) 16:552週連続でラインバッカー(LB)クレイ・マシューズがクオーターバック(QB)に対するプレーでペナルティを科された。現在、このペナルティのジャッジが大きな議論を呼んでいる。
グリーンベイ・パッカーズのLBマシューズは31対17で敗れたシーズン第3週ワシントン・レッドスキンズ戦の第3クオーターでQBアレックス・スミスに対するパーソナルファウルを取られた。
マシューズはセカンドダウン残り7ヤードで右サイドからブリッツを行い、3秒も経たない間にスミスに対してタックルした。一見して11ヤードのロスを奪ったかのように見えたが、オフィシャルのクレッグ・ロールスタッドはこのヒットをイリーガルと判断し、パッカーズに15ヤードのペナルティを科した。結局、このドライブはパントに終わっている。
ロールスタッドは試合後、記者に対して次のように語った。
「ディフェンダーがクオーターバックに対してヒットした際、体重のほとんど、あるいは、全体重をかけてタックルを行っていたが、それは許されるものではないと判断した。それを行うとすれば、パサーへのラフプレーになる。つまり、それが私のジャッジのキーポイントであり、彼は自分のほとんどの体重、あるいは全体重をかけてクオーターバックにタックルしていた。それが私の判断で、パサーへのラフプレーだとジャッジした」
「しかしながら、肩を入れ、全体重をかけていないタックルでパサーを倒し、その後にすぐ彼を離していたのなら問題はなかった。しかし、私が見た限り、彼はそこでほとんどの体重、もしくは、彼の全体重をかけてパサーを押し倒していた」
当然ながら、マシューズがこのジャッジに納得するはずもなかった。
マシューズは記者に対して次のように述べている。
「地面に倒れ込んだ後、すぐに手を離さそうとしたのはみんなも見ているはずだ。正面からクオーターバックをタックルした際に、その相手を地面に倒すのは当然のことだろう。ルールの精神は理解していると、これは何週間か前にも言ったはずだ。だが、あのようなヒットはフットボール中に起きて仕方のないプレーだ。試合後にはアレックス・スミスに対して“どう思うか? 自分には他の方法があったと思うか?”とも尋ねた。なぜなら、あれはフットボール中にあってしかるプレーだからだ」
「先週も言ったように、もちろんNFLは全体重をかけていたと言ってくるだろう。しかし、あれはフットボールのプレーなんだ。正面から突っ込んで、頭を避け、腕で相手を抱き込んだ。手をつかわずに誰かをタックルするなんて聞いたことがない。飛び込んで彼にヒットした瞬間は自分の全体重がかかるのは仕方ない話だ。先シーズンにアーロン(ロジャース)が受けたヒットを見ているじゃないか。ほぼ変わらないだろう。望めばアレックスをケガさせることだってできたはずだ。相手に対してもっと激しくいくこだってできたんだ。それがフットボールだろう」
マシューズが予想したように、リーグはこの判断をすぐさま支持した。
NFLフットボール・オペレーションは『Twitter(ツイッター)』にコメント付きでこのシーンの動画を投稿している。
「これはパサーに対するラフプレーである。ディフェンダーが“すべての、あるいは、ほぼすべての体重をかけて”パサーにタックルしている。これはルールブックの第12条2項9号(b)に記載されている。#GBvsWAS」
This is a foul for roughing the passer – the defender lands “with all or most of the defender’s weight” on the passer. Rule 12, Section 2, Article 9(b): https://t.co/s9YKN8NLuT #GBvsWAS pic.twitter.com/ei2QZkvvzx
— NFL Football Operations (@NFLFootballOps) September 23, 2018
このジャッジ直後にサイドライン上で激昂したパッカーズのヘッドコーチ(HC)マイク・マッカーシーはラインジャッジ(カール・ジョンソン)とフィールドジャッジ(ジェフ・ランバース)に対して怒鳴り散らしていた。
マッカーシーHCは試合後、記者に「特にクレイのケースに関して言えば、彼はそこで自分のやるべきプレーをその通りに遂行していた。だから、そのジャッジのされ方についてはその他多く人々に対しても疑問となるだろう。彼は肩でヒットしていたんだ。クレイはブロックをすり抜けてフルスピードで突っ込んだが、その後の準備もしていた。クレイのプレーについて、私は何の問題もないと思っている」
マシューズとパッカーズはこのような扱いに慣れているとも言える。先週のミネソタ・バイキングス戦でもマシューズは同じようなクオーターバックへのペナルティを取られていた。第4クオーターにタックルでQBカーク・カズンズを地面に押し倒したマシューズがゲームを決定付けるインターセプトを生み出したはずだった。だが、この時のタックルにもフラッグが投げられた結果、ドライブは継続となり、その後にカズンズはステフォン・ディッグスに対して試合を同点とするタッチダウンパスを投じた。
先週の月曜日、リーグは議論の的となったシーズン第2週のマシューズによるパサーへのラフプレーが“スクープ・アンド・プル(足をすくって引っぱる)”のテクニックを使っており、これがファウルに相当することを強調するために同プレーを教材的ビデオとして用い、各チームに注意喚起すると発表していた。
まとめとしてマシューズはこのようにも語っている。
「残念なことに、このリーグは多くの者が好まない方向へと向かっている。彼らはどんどん緩くなっている。このリーグが唯一厳しいのは自分みたいに一生懸命プレーする選手に対しての処罰だけだ。理解できない。自分はただ、一生懸命プレーするしかない」
「パスラッシャーやクオーターバックを追いかける選手たちが今できることは多分、ボールを攻撃することだ。それが20年間のフットボール人生を通して学んできたタックルの仕方さ。どうなっていくのだろうかね。リーグが変わらないのだから、別のところで変わっていくしかないだろう」
【S】