「最悪の気分」とベアーズKパーキー
2019年01月07日(月) 12:45現地6日(日)に開催されたフィラデルフィア・イーグルスとのワイルドカードゲームでクオーターバック(QB)ミッチェル・トゥルビスキーはシカゴ・ベアーズに勝利をもたらすフィールドゴールの舞台を用意した。
トゥルビスキーが与えてくれた43ヤードのチャンスにキッカー(K)コディー・パーキーが挑んだものの、パーキーがキックしたボールは蹴った直後から左にそれていき、左側のアップライトに直撃したボールはそのまま真下のクロスバーにもぶつかってエンドゾーン側に落下した。
このキック失敗によって、ベアーズはQBニック・フォールズを前に16対15で敗れ去っている。
パーキーは試合後、「本当に最悪な気分だ。答えが見つからない。良い感じに蹴れたとは思ったんだ」と述べた。
ソルジャー・フィールドで開催された試合の第4クオーターはポールとバーに2度も嫌われたキックによって劇的な幕切れとなった。
フォールズは15対10でベアーズを追っていた際に12プレーを通じて再び魔法のような活躍を見せ、最後はワイドレシーバー(WR)ゴールデン・テイトにサイドぎみからのタッチダウンパスを決めて60ヤードのタッチダウンドライブを完成させた。この後、2ポイントコンバージョンに失敗したイーグルスが16対15でキックオフを行っている。
キックオフのボールをキャッチしたベアーズのランニングバック(RB)タリク・コーエンが見事なランを見せ、48秒を残して42ヤードラインにまでオフェンスを押し上げた。
トゥルビスキーがアレン・ロビンソンに25ヤードの完ぺきなスローを投じてベアーズをフィールドゴールの選択が可能となるレンジにまで引っ張り、その後も8ヤードのパスを通したベアーズは見事、25ヤードラインからのプレー権を獲得した。スパイクとスローアウェイを1度ずつ行った後、パーキーがこの試合のヒーローになるチャンスが訪れていたのだ。
レギュラーシーズンのパーキーはフィールドゴールアテンプトで30回中23回の成功を記録しており、大事な試合でのミスも目立っていた。パーキーには今回のイーグルス戦で悪い流れを断ち切るチャンスが与えられていたと言えよう。
ベアーズがアテンプトのためにラインを形成した際、スナップのほんの直前にイーグルスのヘッドコーチ(HC)ダグ・ペダーソンはタイムアウトを要求した。この時にそのまま止めずに蹴ったキックは成功していたものの、これは練習のキックとなってしまった。
“ウィンディ・シティ”と呼ばれるシカゴのフィールドでは、ちょっとした時間でもキッカーのリズムは狂うのかもしれない。
パーキーのキックしたボールは放たれた直後から左へとそれ、最後は左側のアップライトに直撃し、ボールはその真下のクロスバーをも直撃してエンドゾーン側に落下した。
パーキーは「チームをがっかりさせてしまうことほど最悪な気分はほとんどない。本当にひどい気分だ。気持ちを整理し、今後に最高のキックができるようにしていく。そして、今週はこのキックを成功させるために全精力を注いだということ、また、理由がどうであれボールがクロスバーとアップライトにぶつかったことを思いながら眠りにつく」と述べていた。
12勝4敗でNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区のタイトルを獲得し、2010年以来初めてプレーオフに姿を見せたベアーズにとっては、信じられないような残酷な結末となったはずだ。
今回の敗因のすべてがパーキーにあるとは言えないだろう。ディフェンス陣が最後のフォールズのドライブを防ぎきれなかったこと、また、序盤の攻撃陣が沈黙していたことも敗戦の要因として挙げられる。それでも、トゥルビスキーはフォールズの魔法に匹敵するようなプレーを披露して勝つためのチャンスをチームに残していた。ベアーズファンにとっては心が崩壊するような敗戦だったに違いない。
【S】