ジャイアンツに先発QB交代の可能性?
2019年06月12日(水) 09:50最後のOTA(チーム合同練習)を終えて春のワークアウトを締めくくったニューヨーク・ジャイアンツのヘッドコーチ(HC)パット・シューマーは、7月後半に開かれるトレーニングキャンプで起こる可能性のあるイーライ・マニングとダニエル・ジョーンズのクオーターバック(QB)争いの口火を切った。
オフシーズンワークアウトを通じた新人ジョーンズの準備作業について尋ねられたシューマーは、今から来月にキャンプが始まるまでの6週間にわたって続きかねない、熱い議論に火をつけた。
『Newsday(ニューズデー)』紙によれば、シューマーHCは「彼は初日にプレーできる準備を整えるというゴールに向けて順調にきている。QBは全員にとっての最重要事項だ。それは分かっている。しかし、彼は順調だ」と語ったという。
オフシーズンの間にマニングを強化してきたジャイアンツだが、ジェネラルマネジャー(GM)のデーブ・ジェトルマンがベテラン選手にあと何年優れたプレーが可能かに触れる中、シューマーはジョーンズにも大舞台に踏み出す可能性を残している。
シューマーは他の全てのポジションと同様、ジャイアンツに勝利の最大のチャンスをもたらすのは誰かを見定めるべくチームは“常に”QBを比較していると述べた。
「本当に最高の選手たちにプレーさせるつもりだ。うやむやな話になってしまうのは分かっているが、現時点でイーライは素晴らしいシーズンにする準備を整えつつあり、ダニエルはプレーに向けて準備を整えている。どうなるか見てみよう。イーライの進展具合は良く、彼はわれわれの先発QBだし、傑出したプレーヤーになるとわれわれが見込んでいる若手はプレーに向けて自身の準備をしている」
ジョーンズがプレーすると同時にマニングが“素晴らしいシーズン”を送ることはできない。そこを指摘されたシューマーは次のように応じた。
「やってみよう。もったいぶったことは言いたくないんだ。チームに勝利する最高のチャンスを与えてくれる選手がプレーする。それだけのことだ。長年にわたってイーライがそうしてくるのを見てきたし、これから進んでいくにしたがってどうなるか見てみるつもりだ」
ニューヨークのメディアにこういった話題の振り方をするとは、ピットブルの前にフレッシュなステーキを投げ入れるようなものだ。シューマーの発言により、ジョーンズが予想より早くマニングから先発の座を奪うのではないかとの議論に火がついたことだろう。
コーチとは策謀の世界に住む人間であり、この発言もうっかり出たものというよりは、計算されたものと捉えるべきだ。
イーライ・マニングは先発QBだ。今のところは。この後どうなるかは、トレーニングキャンプ、プレシーズン、そしてレギュラーシーズン序盤の2人のプレーヤーのパフォーマンス次第となる。ジョーンズが今後も高い活動性と正確さを印象づけ続ければ、きつい決断が下ることもあるだろう。常にタフだったマニングをめぐる状況は、この発言によってわずかに厳しさを増している。
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