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レイブンズGヤンダが13年のキャリアに終止符

2020年03月11日(水) 23:02

ボルティモア・レイブンズのマーシャル・ヤンダ【AP Photo/Phelan M. Ebenhack】

このオフシーズン、ボルティモア・レイブンズのオフェンシブライン(OL)に巨大な穴が開くことになった。

8度のプロボウルに選ばれたマーシャル・ヤンダが今週、正式に引退することになったと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地10日(火)に伝えた。チームも後に事実だと認めている。

最初に報じたのは『ESPN』だった。

NFL史に残るオフェンシブラインマンである35歳のヤンダは昨シーズンも引退を考えていたが、最終的にもう1シーズン続ける道を選んだ。彼は最高にダイナミックなグラウンドアタックの先鋒(せんぽう)を務め、ランゲームとクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンのために穴をこじ開けた。

2007年に3巡目指名されたアイオワ大学出身のヤンダはすぐに先発選手となり、以来13年間にわたってOLの中心で岩のように立ちふさがった。

技術にたけたヤンダだが、フットボール選手としてはそれほど体格に恵まれているわけではない。だが、自分より大きな相手を押し出すのが彼ほどうまい選手はそうそう見つかるものではない。厚みのあるその肉体を使ってヤンダは一押しでNFLのディフェンダーたちを押しのけ、他のブロッカーたちが次のレベルに進む道筋を作った。

大半のOLがそうであるように、ヤンダのプレーも見落とされがちで、評価されることが少ないが、彼は間違いなく殿堂入りに値する選手としてNFLを去る。

彼は13年間で8度のプロボウルに選ばれただけでなく、オールプロのファーストチームに2度、セカンドチームには5度選出されており、スーパーボウル制覇も果たした。

時代のベストランブロッカーを失い、MVPのジャクソンの前には大きな穴が残された。レイブンズが手に入れた700万ドル(約7億3,000万円)のキャップスペースはその穴を埋める助けになるかもしれない。彼らは伝統的に自チーム内でラインマンを育てていることから、ジェネラルマネジャー(GM)のエリック・デコスタがフリーエージェント獲得に乗り出さなければ、2019年4巡指名のベン・パワーズが最有力となるかもしれない。

この瞬間がいつ来てもおかしくないことをレイブンズは知っていたはずだ。しかし、いずれ名誉あるゴールドジャケットを着ることになるであろうヤンダのような選手を失う痛みがそれによって和らぐわけではない。

【M】