「成り行きに任せる」とベンガルズからリリースのQBダルトン
2020年04月30日(木) 23:54未来の司令塔を手に入れてから1週間、シンシナティ・ベンガルズは過去に別れを告げようとしている。
32歳のダルトンにトレードで行き先が見つからなかった結果、ベンガルズは彼をリリースすることにしたと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは述べている。
今後、ダルトンがマーケットでどのような道をたどるかは興味深い。リリースされたオフシーズンカレンダーのタイミングを考えると、それほど長引くことはないだろう。ラポポートは面白い行き先を予想している――ジャクソンビル・ジャガーズだ。
With no trade market, the #Bengals move on. The #Jaguars and former head coach Jay Gruden as OC are a spot that would make sense. https://t.co/prtlwHAocQ
— Ian Rapoport (@RapSheet) April 30, 2020
「トレードで声は掛からず、ベンガルズは前に進んだ。元ヘッドコーチ(HC)でジャガーズのOCになったジェイ・グルーデンのところならばしっくりくる」
攻撃コーディネーター(OC)のジェイ・グルーデンとダルトンは彼がベンガルズで最も輝いていた2011年から2013年に共に戦ったことがあり、若きQBガードナー・ミンシューの隣にベテランを並べられるチームでの再タッグはとても理にかなっている。また、ニューイングランド・ペイトリオッツのQB状況も検討すべきだろう。彼らはベテランのブライアン・ホイヤーと若手のジャレット・スティッドハムを擁しているが、ダルトンが加わればさらなる強化を図ることができる。
「今年はオフシーズンがなく、いつもと違う。それは理解している」とダルトンは4月にNFLネットワークのマイケル・シルバーに語っていた。「俺はチームに価値を与えられると確信している。能力だけじゃなく、俺が今まで学び、経験した全てがあるからだ」
「状況にイラついて、“このチームやあのチームは?”と言うのは簡単だ。でも、もしもの話に延々と悩み続けても意味がない。俺は少し落ち着いて、成り行きに任せることにするよ。妻と(水曜日の)夜に話していたんだ。すごく穏やかな雰囲気だった。神の望むところへどこへでも行くさ。決められた通りになるだけのこと」
2011年ドラフトの全体35位でベンガルズの指名を受けたダルトンは、それまでの人生を過ごしてきた故郷のテキサス州を離れてシンシナティに移り住み、9年のNFLキャリアのすべてをそこで過ごした。2011年シーズン第1週に初めての試合で先発し、負傷によってその試合は最後まで終えられなかったものの、以降の4シーズンにわたってベンガルズのすべての試合に先発した。また、その各シーズンでプレーオフに駒を進めたのに加え、2015年もポストシーズンに進出している。
77試合に先発した2011年から2015年に、ダルトンはパス成功率62.3%、18,008ヤード、タッチダウン124回、インターセプト73回を記録した。
2016年からの4シーズンでベンガルズは低迷し、勝率は5割を切って、プレーオフ進出が期待できるチームからドラフト指名巡上位に姿を現すチームへと退行する。ザック・テイラーがヘッドコーチ(HC)に就任した初年度に落ち込みはピークに達し、ダルトンはルーキーのライアン・フィンリーと交代させられたのち、再び先発に戻ってベンガルズの2勝14敗のシーズンを締めくくった。この成績によって、ベンガルズはバロウを選択する権利を手にしたのだ。
最終的に残したパス成功率62.0%、タッチダウン204回、インターセプト118回という数字が、ベンガルズのQBとしてのダルトンを象徴している。キャリアを通じたパサーレーティング(87.5)は、2巡目指名選手というダルトンのステータスにさらにフィットする。プロボウルに3度選ばれているダルトンだが、NFLのQBとしては中堅どころという位置に落ち着いていた。そのヘアカラーはチームのヘルメットカラーとほぼ一致していた。そして、この10年のほとんどにおいて、ダルトンこそが彼らのQBだったのだ。
【M、A】