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ブラウンズを“約束の地”に連れていきたいとDEギャレット

2020年07月17日(金) 10:30

クリーブランド・ブラウンズのマイルズ・ギャレット【AP Photo/Tony Avelar】

最後にフットボール界がディフェンシブエンド(DE)マイルズ・ギャレットを見たとき、ギャレットはなぜライバルのヘルメットをつかむことになったのかを穏やかな口調で説明しようと努めていた。

その後、ギャレットが手にしているものは対戦相手のヘルメットから新たなサラリーのつまった袋に変わったようだ。

ギャレットは今週、クリーブランド・ブラウンズと5年1億2,500万ドル(約134億円)の契約を結んで、NFL史で最高額が支払われる守備選手となった。また、ブラウンズが1巡目指名選手と2度目の契約を交わすのは、2010年ドラフト全体7位で選択したジョー・ヘイデン以来のことだ。

ヘイデンからギャレットの間には、ブラウンズの1巡目指名選手が9人いた。春の指名がうまくいってこなかったことがブラウンズの苦戦に満ちた10年につながったのだが、だからといってギャレットがオハイオ州北東部での長期的な未来を除外することはなかった。

「俺にとっては何の疑いもなかった。俺はそういう歴史が嫌いじゃない」とギャレットは現地16日(木)に語っている。

「だって、俺がそういう状況をひっくり返してビッグゲームに勝ち始め、プレーオフで勝って、ついに最後の試合までいったときに、その方がずっといいだろ。俺はその一部になりたい。俺がみんなをそこへ導きたいんだ。だから、俺たちが何をしようと、来年に始まろうと、それに何年かかろうと、俺はクリーブランドをその約束の地に連れていきたい」

ギャレットが全体1位で選ばれた翌年にワイドレシーバー(WR)ジャービス・ランドリーが加入し、今のブラウンズは1999年のチーム再生以来の苦境脱出に向けてゆっくりと動きだしている。今はまだ達成できていないものの、2018年には勝率.500に迫り、2019年に後退している形だ。

ギャレットは昨年夏、目標は年間守備選手賞を取ることだと語っており、出場停止処分を科されるまではまさにその射程範囲内にいた。

『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によれば、2019年にギャレットがフィールドにいた際、ブラウンズはプレッシャーレート(32.9%)でリーグ2位につけていた。ギャレットがいなくなるとそれが31位(21.4%)に後退する。ギャレットがいる際のブラウンズのサックレートは8.5%で、いないと5.1%だった。

あまりそうは見られていないかもしれないが、ギャレットは2017年ドラフトの最上位につけた際に目されていたような、世代を代表する才能だ。キャリアにおける試合平均サック数は0.82で、これはサックの記録がつけられるようになった1982年――ギャレットが生まれる13年前――以降の全選手の中で4位となっている。ギャレットの上を行く3選手にはJ.J.ワット(0.86)、レジー・ホワイト(0.85)、マーク・ガスティノー(0.83)がいる。

また、過去3年にわたり、ギャレットは守備選手として単一シーズンにおいて最高のプレッシャーレートを記録していた。ギャレットの17.1%に続くのは、バッファロー・ビルズのジェリー・ヒューズが2018年にマークした16.2%だ。

過去3シーズンのすべてでプレッシャーレート12%以上を記録しているのはギャレットとアーロン・ドナルド、ボン・ミラーのみとなる。ドナルドはキャリアにおいて2度、年間守備選手賞を受けた。

ピッツバーグ・スティーラーズのクオーターバック(QB)メイソン・ルドルフのヘルメットを振り回した件について、“2度とあってはならない”ミステイクだと認めたギャレット。さらに「俺とブラウンズ、俺のチームメイトたちはそれを過去のものにして、もっと大きな成功へと向かって進んでいる。それはいずれ、道端のわずかなくぼみのようなものになるさ」とギャレットは語っている。

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