サインボーナス分もサラリーキャップから除外へ
2020年08月05日(水) 07:502020年シーズンをオプトアウトした選手を抱えるチームは数百万ドルに及ぶサラリーキャップの軽減措置が取られることになりそうだ。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロは現地4日(火)朝、情報筋の話として、NFL経営評議会が各チームに対して、チームが選手のオプトアウト通知を受け取り次第、即座に、不労による報酬とボーナスだけでなく、サインボーナスの比例配分も2020年の制限から除外すると通達したと報道。
前日の月曜日に、NFLおよびNFL選手会の弁護団が2020年の団体労働協約(CBA)変更に合意したことを受けて、このニュースがもたらされた。
選手がサインボーナスを含む契約に調印した場合、サインボーナス分がサラリーキャップの目的で契約の長さに応じて比例配分される。オプトアウトした選手らの契約が保留となることから、サインボーナスの比例配分された金額は今シーズンに計上されず、契約とともに先送りされる。
例えば、3日にオプトアウトしたデンバー・ブロンコスのタックル(T)ジェイウワン・ジェームスは基本報酬が1,000万ドル(約10億5,800万円)あり、それが今年のサラリーキャップから除外されるほか、ブロンコスは今年のサインボーナスとなる300万ドル(約3億1,700万円)も含め、合計1,300万ドル(約13億7,500万円)を2021年に持ち越すことが可能となる。
契約全体を繰り越すことでオプトアウト中でも契約が失われなくなるほか、配分された分がさらに拡大されることを防ぐ。『Over The Cap(オーバー・ザ・キャップ)』によると、例えば、ニューヨーク・ジャイアンツのネイト・ソルダーが2021年にカットされれば1,300万ドルのデッドマネーが発生するが、もし、比例配分された契約ボーナスが先送りされなければ、ジャイアンツがソルダーをカットするのにかかる費用は650万ドル(約6億8,600万円)だけとなる。つまり、選手にとってはカットされにくくするという点でも役立つのだ。
また、比例配分されたボーナスも制限から除外するとの決定により、チームにとってはオプトアウトした選手に代わる選手を起用するための余裕ができる。あるいは、その金額を来年に持ち越すことも可能だ。サラリーキャップは2021年に大幅削減されると予想されており、下限は1億7,500万ドル(約185億1,300万円)と言われているものの、チームらは未使用のキャップスペース分の大半を今後の計画に生かす可能性が高い。
これまでに、およそ50名のNFL選手が今季のオプトアウトを選択している。
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