カウボーイズ、FAとなったSアール・トーマスを追う見込みなし
2020年08月26日(水) 12:27セーフティ(S)のアール・トーマスは長い間、ダラス・カウボーイズでプレーしたいと願ってきた。だがその想いは叶いそうにない。
現地25(火)の朝に『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが状況を知る人物らの話を元に報じたところによれば、カウボーイズはトーマスにいくつかの問い合わせをしたが、オールプロの出場経験があるこのセーフティの獲得争いに参加するつもりはないとのことだ。
チームに弊害をもたらす行為があったとしてこの週末にボルティモア・レイブンズがトーマスを解雇して以来、次の行き先の最有力候補としてカウボーイズが挙がっていた。
昨シーズンまでカウボーイズのヘッドコーチ(HC)を務めていたジェイソン・ギャレットに、トーマスはかつて「俺を獲得してくれよ」と言っている。カウボーイズがプロボウルに7回出場した経験のあるトーマスと契約する機会を見送ったのはこれで2度目ということになる。
カウボーイズの現HCであるマイク・マッカーシーは、トーマスへの興味について報じられる度にそれを何度も否定している。月曜日にはセーフティ勢を含む今の80人のロース―ターに満足していることに言及した。そして翌日には再びトーマスに関する質問を退け、Sダリアン・トンプソンについて熱く語っている。
また、マッカーシーがシアトル・シーホークスのジェネラルマネージャー(GM)であるジョン・シュナイダーとグリーンベイ時代から親しくしているのも特筆すべき点だ。シーホークスとトーマスとの間にあった他の問題を、シュナイダーがマッカーシーに伝えている可能性も考えられる。
火曜日にラジオ番組の『105.3 The Fan(105.3ザ・ファン)』に出演した際、カウボーイズのオーナー、ジェリー・ジョーンズはトーマスが入団する可能性があると報じたラポポートに対して異論を唱えた。
「当然ながら最も重要視することの1つに、当たり前のことを言っても仕方ないが、セーフティとセカンダリー、そして数字が今どのような状態かを評価することがある。われわれの状況に大きく関わるのは目の前にある今の状況だ。周知の通り、今年は評価を下すのに限られた時間しかない。アールについてもそうだが、これらの決断はそう簡単にはいかない。いろいろな形で必ずおまけがついてくる。アールとは個人的に会っていないし、誰も会っていないと思う。この動きに進展があれば、それがきっと次のステップになるだろう」
カウボーイズがトーマスと話しをするかどうか、また、するならそれがいつになるかについてジョーンズは何の示唆も与えなかった。チームが明確に興味を持っているとは言わないジョーンズは、契約金額が大幅に下がったり、チームに負傷者が出たりした時に備えてその可能性を残しているのかもしれない。いずれにしても、ジョーンズはセーフティのポジションについてマッカーシーの言葉を繰り返している。
「ロースターの状況だけを重視しているのでなく、この決断の肝は、われわれのロースターが今どうなっているかということだ。初歩的なことのようだが、それが大きく関わっている。この種の決断が常にそうであるように、決して簡単なものではない。その全てにおいてもう何年もの間、選択肢としてあった。だから彼のことは良く知っているよ。リーグ内の全員がそうであるように、われわれもいい読みをしていると思う。だから彼の実力は良く理解しているし、キャリアのどのステージにいるかも分かっている。それらはすべて考慮される。あらゆることを判断材料として集めて決断をすることになる」
ラポポートは以前に、ヒューストン・テキサンズとサンフランシスコ・49ersもトーマスと契約する可能性があると伝えた。
カウボーイズの競争離脱はトーマスの市場価値を大きく落とすことになるだろう。ボルティモアとの契約解除に至ったフィールド外での問題には昨年にミーティングに遅れたことも含まれ、これにより新たな要素が追加されることになった。ジェリー・ジョーンズがトーマスと関わりたくないと思っているなら、一体どのチームが賭けに出ることだろうか。
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