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ベンガルズがルーキーのQBバロウをチームキャプテンに選出

2020年09月10日(木) 10:47


シンシナティ・ベンガルズのジョー・バロウ【Ryan Meyer via AP】

2020年のドラフト全体1位で指名を受けたクオーターバック(QB)ジョー・バロウはその輝きを失っておらず、ロッカールームを先導する能力は彼に稀な名誉をも与えた。

現地9日(水)、ルーキーのバロウは、シンシナティ・ベンガルズの6人のキャプテンのうちのひとりに選出された。

バロウは『The Athletic(ジ・アスレチック)』に、「俺の目標のひとつだったんだ。キャプテンになれるとは思いもしなかったけど、チームと攻撃陣の代表を務めることができてすごくうれしい」と話した。

6人から成るキャプテングループは、少なくとも4年以上のNFL経験を持つ5人のキャプテンを擁し、リーグに存在するキャプテングループの大部分が10年の経験を有している。

そのような中でバロウが登場した。彼はチームの将来を担う新星であり、2019年には完璧な15勝0敗のシーズンにおいて60回のタッチダウンパスを決めてFBS(フットボール・ボウル・サブディビジョン)記録を樹立し、ルイジアナ州立大学を全米チャンピオンに導いた。バロウはハイズマン賞を受賞した時、その注目を自分から逸らして経済的に困窮する故郷の南東オハイオ州に向けることで、地元の若者たちもバロウのように成功することができるということを伝えた。

そこに偽りはなく、心のこもったものだった。そして彼が心から大切にするこの話題を公の立場で話すのは、決してこれが最後ではなかった。

そのような本物の熱意をベンガルズのロッカールームで披露するには、時間はかからなかった。チーム専属記者のジェフ・ホブソンは8日(火)に公開された記事のなかで、チームがアメリカの社会的不公平を訴えるにあたって採用した大事な方針理念の最後の2段落を公の場で読み上げる選手として、ベテランのセンター(C)トレイ・ホプキンスがルーキーのバロウを選んだ理由について振り返っていた。

ジョー・バロウ
「こんなに素晴らしい人たちと同じ組織の一員になれてうれしい」

シンシナティ・ベンガルズ
「われわれは変化の媒体にならなければならない」

タイトエンド(TE)のC.J.ウゾマーはバロウについてホブソンに、「彼がその話をしてくれたこと、声を上げて活動的であることは、間違いなく俺たち皆に届いている」と話した。

バロウはベンガルズに加入してから数カ月の間に、自身のソーシャルメディアを活用して社会的正義への支持について声を発していた。この夏、全米が混乱に陥った際にも本音をツイートした。これらのメッセージがベンガルズに加入する前から先輩チームメイトの目に留まっていたとホブソンは記している。

「黒人コミュニティは俺たちの助けを必要としている。彼らはあまりにも長い間、聞く耳を持ってもらえなかった。あなたの耳で聞き、話してほしい。これは政治ではない。人権なんだ」

「どうして黒人が経験してきた痛みを聞いて無視できるんだ。どうやったら痛みを聞いて“あなたの味方だ”と言う以外の反応ができるんだ」

ベンガルズは希望と祈りをバロウに託しているが、バロウをキャプテンに選出したのは、すでにチームメイトが彼に務まる任務であると信じているからに他ならない。そして今、オレンジと黒の9番ジャージにCのパッチを付けたバロウがフィールドでそれを証明する番だ。

【SC】