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QBブレイディの獲得にベアーズとセインツの参戦はノーマーク

2020年09月14日(月) 12:13


タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Brett Duke】

クオーターバック(QB)のトム・ブレイディが3月17日に待望のフリーエージェント(FA)の決断を下したとき、ロサンゼルス・チャージャーズよりもタンパベイ・バッカニアーズを選んだというのが広く信じられていた。単純な話だ。

だが、実際はもっと複雑だったことが分かってきた。今週に複数の情報筋が当時の状況に言及し、ブレイディに与えられていた選択肢がより詳しく明らかになった。実は、以前に報じられていたよりも多くのチームが彼に興味を示していたのだ。

ブレイディ率いるバッカニアーズのデビュー戦の相手はニューオーリンズ・セインツだったが、そのセインツがまさにブレイディの獲得を試みていたチームの1つだ。そしてもう1チーム、ノーマークの中でオファーを提示していたのがシカゴ・ベアーズだった。

両チームともにブレイディについての話し合いが複数回におよび、一時は両者とも優位なポジションにいたという。ふたを開けてみれば、ブレイディのマーケットは以前に思われていた以上に堅調だったということだ。

セインツにとってブレイディとの接触は――非公式なものも含めて――QBドリュー・ブリーズが『Instagram(インスタグラム)』で2020年での続投を発表したのを機に終わった。

ブレイディは、ブリーズが引退してテレビブースに向かうのであれば、彼の後任になりたいと考えていることを公言していた。情報筋によると、ブレイディはチームの反応を見越して、そのことを何人かのセインツの選手に話していたとのことだ。ヘッドコーチ(HC)のショーン・ペイトンはブリーズの後任としてブレイディは理想的だと考えていたため、セインツ側も前向きだった。

しかしながら、ブリーズが引退しないことを発表すると、ブレイディとセインツの動きは完全に止まった。一方でニューイングランド・ペイトリオッツは、ブレイディとの契約が切れる前に、彼が他のチームと接触しても不当行為として告発しないことを『NBCSports Boston(NBCスポーツ・ボストン)』が報じており、セインツと話し合っていたことも問題視されていなかっただろう。そこにはブレイディに自分のマーケットを知って欲しいというペイトリオッツの思いがあった。

ベアーズに関しては、可能性のあるQB全員を検討した上で、トレードによりニック・フォールズ(現地13日の試合ではバックアップとなる)を獲得している。情報筋によると、当時ブレイディも選択肢に入っており、オファーも提示していたという。

好条件はたくさんあったものの、ブレイディは再び寒さの中でプレーすることには気が乗らず、チャージャーズとバッカニアーズを最終候補として残した。

最終的にバッカニアーズを選んだブレイディは、2年5,000万ドル(約53億円)の契約を結び、最高額は5,900万ドル(約62億6,000万円)に達する。そしてインセンティブの仕組みが興味深い。

全試合の75%をプレーするという前提で、毎年プレイオフを基準としたインセンティブが設けられている。最高額は毎年225万ドル(約2億4,000万円)だ。

バッカニアーズがプレイオフ進出を果たすとブレイディは50万ドル(約5,300万円)を手にする。ワイルドカードの試合に勝つか2位以上のシード権を獲得できれば、その額が75万ドル(約8,000万円)に上がる。さらにディビジョナルラウンドの試合に勝つと125万ドル(約1億3,000万円)に、スーパーボウル進出で175万ドル(約1億8,500万円)になる。そしてスーパーボウルに優勝すると最高額の225万ドルに達するというスキームだ。

個人的なパフォーマンスに関するインセンティブはというと、(最低224回のアテンプトを条件に)5つのランキングの内4つを達成することでブレイディには最高225万ドルが入る。1つのインセンティブ達成につき56万2,000ドル(約6,000万円)となるが、4つの達成で総額225万ドルになるという仕組みだ。そのインセンティブとは、パサーレイティングで5位以内、25回以上のタッチダウンパスまたは5位以内、パッシングヤードで5位以内、パス成功率で5位以内、そして1回のパスあたりのヤード数で5位以内となっている。

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