シャナハンHC、けが人続出の中でジャイアンツに圧勝した49ersを誇る
2020年09月29日(火) 16:41サンフランシスコ・49ersのIRリスト(故障者リスト)は、古代ギリシャの詩人ホメロスがつづった叙事詩ほどの長さになっている。
現地27日(日)のニューヨーク・ジャイアンツとの試合に先立ち、49ersはクオーターバック(QB)のジミー・ガロポロ、タイトエンド(TE)ジョージ・キトル、ランニングバック(RB)ラヒーム・モスタート、ディフェンシブエンド(DE)ディー・フォード、ラインバッカー(LB)ドレイ・グリーンローを欠いていた。
上記はけがによって除外された主力選手だけであり、その他にもDEニック・ボサ、コーナーバック(CB)リチャード・シャーマン、RBテビン・コールマン、ワイドレシーバー(WR)ディーボ・サミュエル、DEソロモン・トーマス、WRリッチー・ジェーム、WRジャレン・ハード、WRタボン・オースティンらがその長いIRリストに名を連ねている。
まるでジャングルの中で虫よけスプレーや蚊帳なしで虫に刺されるような勢いで、49ersはけがに見舞われている。
QBは先発バックアップのニック・ムレンズ、両サイドのコーナーもバックアップ、スターTEも不在、レシーバー陣も2番手、3番手の選手ばかりであったにもかかわらず、36対9でジャイアンツを一蹴した。
このような状況下での圧倒的な勝利が、ヘッドコーチ(HC)カイル・シャナハンの目を輝かせたことは容易に想像できるだろう。
「今週の結果にはすごく満足している」と勝利後にシャナハンHCは話している。「先週あれだけの選手をああいう形で失った中で、次の週を乗り越えるのにみんな少し感傷的になっていたんだ。でも水曜日の練習が始まる頃にはいい雰囲気とエネルギーが感じられるようになっていて、ホテルで過ごした前夜や試合前のミーティングまでそれを継続することができた」
「そして今日、全てのクオーターを通して全力で戦ってくれたと思う。このチームがとても誇らしかった。もちろん先週もそうだ。思った通りに週明けを迎えられなかったけど、それを克服して、戦い通した。2週続けてそれができたのはすごく気持ちがいい。ホームスタジアムに戻るのが待ち遠しいよ」
343ヤードを稼いでタッチダウンも決めたムレンズは、ジャイアンツの惨めなディフェンスを打ち砕き、ひときわ輝いていた。RBジェリック・マッキノン(第4クオーターで負傷し退場)とRBジェフ・ウィルソンがバックフィードを担い、派手なプレーはなかったものの、ジャイアンのディフェンスを狂わすには十分なバランスだった。49ersは9回のポゼッション中7回で得点をあげ、パントは1度もなかった。
一方のディフェンス陣営もスター選手を何人か欠いていたとは思えないくらいに見せ場を作り、度重なるけがからようやく復帰したCBジェイソン・ベレットは素晴らしい活躍を見せた。49ersはタッチダウンを阻止し、ファンブルを2回誘い、インターセプトも1回決めている。
壊滅状態の49ersが勝利をあげたというだけではない。シャナハンHCを本当に喜ばせたのは、この寄せ集めのユニットがジャイアンツをボロ雑巾かのように見せたことだ。
それでもシャナハンHCは、バックアップの選手が見せたパフォーマンスには驚いていないことを次のように話している。
「ジャイアンツがどうこうではなくて、われわれは今週いい練習ができていた。昨晩の時点でかなり自信があった。結果は見ての通りだが、決して楽な戦いではなかった。全力でドライブを押し進めた感じだ。今日はパントもターンオーバーもなかったけど、そんな感じがしないくらいだよ。気を緩める隙はまったくなかったし、何度かエンドゾーンにすら近づけなかった」
「幸いにもこちらのディフェンスは何回かターンオーバーを誘えた。それだけいいチームだからだ。終盤は少しうまくいかなった場面もあったが、とにかく私は彼らを誇りに思っている。プラン通りだよ。こういう試合をしたかった。それができると思っていたし、実際にやってみせた選手たちは見事だった」
主力選手がいない中での大差の勝利は49ersがどのようなチームであり、どのようなコーチングスタッフをそろえているかを如実に表している。それと同時に、ジャイアンツがいかに競争の中で遅れをとっているかを示す結果となった。
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