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新型コロナをめぐる状況に油断してはいけないとグッデルコミッショナー

2020年10月14日(水) 09:38


NFLコミッショナーのロジャー・グッデル【Aaron M. Sprecher via AP】

現地13日(火)に報道陣に向かって語ったNFLコミッショナーのロジャー・グッデルのメッセージは明確だった。情報更新、強化、リーグの新型コロナウイルス(COVID-19)プロトコル順守が最も重要である、というのがその内容だ。

バーチャルで実施された秋季ミーティング後、安全に2020年シーズンのスケジュールを続け、新型コロナウイルスの影響による試合延期に対応するためのさらなる日程変更を避けるため、グッデルはリーグのプロトコルの役割の重要性を強調している。グッデルにとっての一貫したテーマは“フレキシビリティと適応性”であり、前者については“フレキシビリティがきわめて重要になるだろう”と語った。

「現状に油断してはいけない。選手についても、コーチについても、その他のスタッフについても。今の環境では、90%では十分ではない」とグッデルは述べている。

リーグは引き続き通常の17週の範囲でシーズンを実施することを目標としているものの、『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイケル・シルバーが日曜日に伝えたように、すでにバイウイークを終えたチーム(ピッツバーグ・スティーラーズ、テネシー・タイタンズ、グリーンベイ・パッカーズ、ニューイングランド・ペイトリオッツ、デンバー・ブロンコス、デトロイト・ライオンズ)がスケジュール調整を強いられた場合、第18週を設ける状況はあり得る。NFLはそういったシナリオを回避することを望んでおり、一貫したプロトコル順守にこれまで以上に重点が置かれている。

手続き的な意味でもNFLを取り巻く環境という意味でも、情勢は変わり続けている。そういった展開は、レギュラーシーズン開幕を迎えるにあたってNFLがおおむね予測していたものだ。アップデートされたプロトコルは必然的により厳しくなり、シーズンが進むにつれてチームに日常的に求められるものが多くなっている。

しかし、“プレーオフバブル”を用意することは、リーグの目指すところに含まれていない。プレーオフバブルはポストシーズンを安全にプレーするためにリーグが作る独立環境で、NBAが7月から10月に実施したのと同様の手法だ。NFLのフットボールオペレーション部門副社長であるトロイ・ビンセントは火曜日、リーグは“これまで通り進めている”とし、NFLチーフメディカルオフィサー(医務部長)のアレン・シルズ医師はバブルで生じる隔離状態が起こす可能性のある人道的、感情的、行動的な健康被害に言及した。

「われわれにとって、それが最も安全な方向だとは感じていない」とシルズ医師は話している。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロによれば、シルズ医師は長い間バブルのコンセプトに反対しており、感染を防ぐ効果がないことや、選手に対する前述の健康被害、特に休日における被害について指摘してきた。

「それはCOVID-19の感染症をめぐる健康と安全への懸念に匹敵する」というのがシルズ医師の意見だ。

現在、新型コロナウイルスの問題が最も広く長期的に影響しているテネシー・タイタンズに対して、NFLのプロトコルに違反した可能性の調査が行われている。グッデルはタイタンズのケースは順守を促すことを目的としたものであり、懲罰を目的としたものではないと強調した。

「懲罰の問題ではない。個人の安全を確実に守ることが大事なのであり、それが今われわれがもっぱら集中しているところだ」とグッデルは話している。

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