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ポリネシアの記念すべき日となったQBタゴヴァイロアの初先発

2020年11月02日(月) 13:48

マイアミ・ドルフィンズのトゥア・タゴヴァイロア【AP Foto/Wilfredo Lee】

クオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアのマイアミ・ドルフィンズでの初先発をめぐる盛り上がりは、特に南フロリダで熱狂的だった。ドルフィンズはダン・マリーノが2000年に引退して以来、安定したQBを求め続けてきたのだ。

そして、タゴヴァイロアの初めての先発がポリネシアのフットボール界やサモア(タゴヴァイロアの両親はサモア出身)の人々、ポリネシアの各諸島に与えた影響については想像しがたいものがある。

フットボールにおける伝説的な存在である元オフェンシブラインマン(OL)ジェシー・サポール(サモア出身)、ランニングバック/リターナー(RB/R)ヴァイ・シカヘマ(トンガ出身)、ハワイのセント・ルイス高校などでコーチを務めたジューン・ジョーンズ、QBジャック“ザ・スローイン・サモアン”トンプソンらは、高校時代からタゴヴァイロアを追っていた。彼らが言うには、タゴヴァイロアの人気はこれまでのポリネシアの選手と比較にならないという。

ジョーンズはタゴヴァイロアについて「少年時代の彼がハワイのエワ・ビーチで7対7をやっているのを初めて見たときから、私には彼がいつかNFLでプレーすると分かっていた。ジュニアイヤーにセント・ルイス高校で彼を見て、コーチした後は、この子はウイナーだ!! と思った。私としては、3年目か4年目になるまでプレーしない1975年なら良かったと思う。だが、今は金額が吊り上がり、QBは早い段階で先発を務める。とは言え、今の彼はハワイ――そしてサモアと全ポリネシア――を代表する存在であり、彼が成長してNFLでひとかどの選手になるのを見るのが待ちきれない。彼は最高のキッドであり、最高のファミリーだ」と語った。

また、シカヘマは「QBはスポーツの中で最も重要なポジションだと言ってもいい。NFLの先発QBはかつての“ヘビー級世界チャンピオン”のようなもの。ポリネシアの人々にとってトゥアは、われわれのヘビー級王者だ」と話している。

ハーフタイムの時点で、ドルフィンズはロサンゼルス・ラムズの4度のターンオーバーのおかげで28対7のリードを保っていた。ディフェンシブスコアやパントリターンによるタッチダウンなどがあったため、タゴヴァイロアは第2クオーターではほとんどプレーしていない。前半のスタッツとしてはパス11回中5回成功、34ヤードと、ワイドレシーバー(WR)デバンテ・パーカーへの3ヤードのタッチダウンパスを記録している。

サポールは前半でのタゴヴァイロアについて「最初のダウンで投げ始めたときに、トゥアはあまりリズムに乗っていなかった。そのことでアーロン(ドナルド/DT)やDラインはやや不安を抱いたかもしれないね。もうちょっと乗っていたらとは思うが、ディフェンスとスペシャルチームが道を切り開いた。ドルフィンズは若く危険なチームだ。ワオ」と振り返った。

ドルフィンズは28対17でこの試合を制し、3連勝を決めた。そして、タゴヴァイロアは初勝利を収めた。しかしながら、ドルフィンズは後半に得点しておらず、オフェンスは終始押されている。とは言え、ドルフィンズ守備陣の力とラムズの攻撃陣のミスによって、ドルフィンズは4勝3敗に前進した。タゴヴァイロアはパス22回中12回成功、93ヤード、タッチダウン1回という成績で初戦を締めくくっている。

トンプソンは試合を終えたタゴヴァイロアに向けて「トゥアにとって素晴らしいスタートだ! 見事なチームの勝利。彼がマイアミ・ドルフィンズだけではなく、NFLとフットボールにも本当に多くのものを持ち込んでいる点で、私は大きな期待を寄せている。彼の謙虚さとキリストや家族、サモア文化へのまっすぐな愛は、このゲームを見るすべての人にとって好ましいものだ。彼はプレーしてきたすべての場所でチームメイトから愛されており、トゥアはその才能だけではなく、もっと大きな部分で、つまり人としての彼や、彼の持つリーダーシップという点で人を魅了しているのだと思う」と話していた。

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