人手不足のレイブンズ、無敗のスティーラーズ相手に健闘し気を吐く
2020年12月04日(金) 01:10ピッツバーグ・スティーラーズは大量の選手を欠いたボルティモア・レイブンズにやすやすと勝てるはずだった。何しろレイブンズはMVPクオーターバック(QB)、トップ2ランニングバック(RB)、ナンバー1タイトエンド(TE)、複数の有能なラインマン、その他多数のデプスプレーヤーが不在の状態だ。ところが、レイブンズは試合をドッグファイトに持ち込んだ。
スティーラーズのヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンは現地2日(水)の試合後、自分たちがまるで“二軍チーム”のようだったと振り返った。裏を返せば、人手不足のレイブンズが最後まで健闘したということだ。あっさり屈するのではなく、彼らはNFL最後の無敗チームに苦戦を強いた。
「選手たちと、この状況の中で彼らが戦い抜いたことを評価したい」とHCジョン・ハーボーは語った。「チャレンジだったが、彼らはこのとても特殊な状況で最後まで戦い抜いた。その点において、私は彼らを誇りに思う。彼らと、彼らの努力に感謝したい。今年は多くの意味でクレイジーな1年だ。この試合を実現させるために多くの人々が関わっており、彼らとその努力にも本当に感謝している」
レイブンズがまともに戦えると考えていた人はほとんどいなかった。攻撃陣は間に合わせのオフェンシブラインの後ろでボールを動かすのに苦労した。QBのロバート・グリフィン三世が指揮を執ったが、パッシングアタックは33ヤードにとどまった上、途中でけがのためにトレース・マクソーリーと交代している。レイブンズは最初の4回のドライブでファーストダウンを獲得できなかった。
それでも、パントの失敗がタッチダウンへとつながり、序盤にレイブンズが逆転した。
「今日はみんな、多くの根性と決意を見せてくれた」とグリフィンは語った。「彼らの戦い方を称賛したい。この世界に精神的勝利なんて存在しないけど、俺はレイブンズの1人であることを誇りに思う」
グリフィンがフィールドを出た後はマクソーリーがチームを率い、ワイドレシーバー(WR)マーキス・ブラウンへのパスで差を5点以内にとどめた。ブラウンはディフェンダーたちを抜き去り、70ヤードのタッチダウンを決めている。
主要選手を大勢欠き、試合が進むにつれてセカンダリーが次々と負傷する中、レイブンズ守備陣はスティーラーズの総獲得ヤードを334に抑えた。ラッシングはわずか68ヤード、フォースダウンを2度食い止め、レッドゾーンでスティーラーズに仕事をさせなかった。
この敗北でレイブンズは6勝5敗となり、プレーオフから一歩後退したが、この経験は彼らがどんな状況でも戦えることを選手たちに実感させた。
「俺たちは強固だ」とセーフティ(S)チャック・クラークは述べた。「これからは試合に勝っていくつもりだ。やるつもりだし、俺たちならできる」
精神的勝利などというのはたわ言だが、得てして敗北というのは学びの機会となる。レイブンズは、自分たちがベストでなくとも強いチーム相手に戦えるということを学んだ。リザーブ/COVID-19リストから先発陣が戻って力を完全に取り戻した時に、今週のメンタリティを保つことができれば、再びポストシーズンのポジションを取り戻せるかもしれない。
「このチームには闘志があふれている」とオフェンシブラインマン(OL)のブラッドレー・ボーズマンは言う。「このチームはみんなファイターだ。彼らは呼ばれ、戦場に立ち、準備はできていた。これから健康になった仲間がたくさん戻ってくる。ここから上に向かうだけだよ。これはまだ始まりに過ぎない。働く準備はできている」
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