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アリゾナでは互いのメンタルを気づかうよう選手に促す49ersシャナハンHC

2020年12月04日(金) 15:06

サンフランシスコ・49ersのヘッドコーチ(HC)カイル・シャナハン【AP Photo/Ross D. Franklin】

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数増加を受けてサンタクララ郡が新たな規制を設けたため、サンフランシスコ・49ersは新たな暫定ホームフィールドを探す必要にかられた。

これからの2試合をアリゾナ・カーディナルスの拠点であるステートファーム・スタジアムで実施することになっている49ersは、COVID-19プロトコルを順守するために、おそらく1年で最も厳しいこの時期を家族と離れて過ごし、『Zoom(ズーム)』のみで交流することを強いられる。また、練習でのソーシャルディスタンシングの維持も要求される。

今季は相次ぐけがへの対応に追われてきた49ersのヘッドコーチ(HC)であるカイル・シャナハンは、選手らがお互いを気にかけ、チームメイトのメンタルヘルスに気をつけるよう促した。

チームによればシャナハンHCは現地3日(木)、報道陣に対して「ただ全員に、それがいつ、どんなものであれ、誰かが問題を抱えていたならば、その問題に大きすぎるとか小さすぎるとかいうことはないのだと言いたいだけだ」と語ったという。

「多くの者がそういったことを内にとどめているが、私は多くの選手たちと会い、昨夜は20名ほどをつかまえて、彼らに対してそういったことに気を配り、私のところに来るか、ポジションコーチのところに来るか、それとも、われわれにはコーチや選手ではなくとも誰かを助けられる者がたくさんいるから、そういった者のところに来るか、確実にするよう話した。単に、それが人間性なのだと理解するということだ。これから3週間で何らかのことが持ち上がってくるだろうし、誰もそれを無視しない。こういった状況で考えられる最悪のケースは離れ小島にたった一人でいるかのように感じることであり、われわれにはそこを通り抜ける大きな集団があるので、団結してお互いを助けながらそこを乗り越えられるよう、常に誰かの注意を引くようにする」

今のところ、49ersはアリゾナでの初めてのホームゲームとして現地7日(月)にバッファロー・ビルズと対戦する準備を進めている。試合までの準備期間については、シャナハンHCはそれほど心配していない。選手が隔絶した感覚を抱くのではないかとシャナハンHCが最も懸念しているのは、より余裕のある日々のことだ。

「今はイージーな部分だ。ワークアウトのためにここへやってきて、月曜日の試合まですべてにハードに取り組むからね。だから、その後なんだよ」とシャナハンHCは言う。

メンタルヘルスやうつ病といったトピックはかつてアスリートの世界ではタブーであり、汚名と共に語られてきたが、時代はますます変わりつつある。

世界中でパンデミックが続き、NFLもアウトブレイクを防ぐ戦いのためにプロトコルを定めてきた。隔離生活の影響は新たな大きな懸念として広まっている。

トップコーチの一人として急速に認められるようになったシャナハンHCは、この厳しい時期において決して一人ではないこと、そして、助けを求める複数の道があることを、選手に知ってもらおうとしている。

「私が人々に強調しようとしているのは、誰もがさまざまに異なっていて、他の人とは違ったように対処する人がいるということだ」とシャナハンHCは語った。

「それが何であれ、壁にぶち当たる者はいる。NBAプレーヤーのバブルのことや、彼らが経験したメンタルな問題のことなどは読んだだろう。彼らは少なくとも、一緒にいることが許されていた。われわれには許されていないので、基本的に部屋にこもることになる。Zoomやウオークスルーのときしか皆に会わないので、バブル内でうろつけるわけではない。だからこそ、こういったことを皆の中で築き、それぞれが自分のやり方で対処していく」

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