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シーズン後にリンHCの評価を行うチャージャーズ

2020年12月08日(火) 10:09


ロサンゼルス・チャージャーズ【NFL】

アンソニー・リンはロサンゼルス・チャージャーズのヘッドコーチ(HC)にとどまる。少なくとも、今のところは。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが状況を知る人物の話を元に現地7日(月)に伝えたところによれば、差し迫ったHC交代はないとのことだ。

チームはリンHCに深い敬意を抱いており、シーズンが終わった際にすべてを評価する方を選ぶだろうとラポポートはつけ加えた。

51歳のリンHCはニューイングランド・ペイトリオッツと戦った日曜日に45対0での敗戦を喫した後、HCとしての座を守れると思うか問われた際に、自分は月曜日も“ボルツ”のコーチだと思うと話していた。しばらくはリンHCの見込みが外れることはなさそうだ。

『L.A. Daily News(L.A.デイリー・ニュース)』のギルバート・マンザノによれば、リンHCは月曜日に「私はここに来るために、人生を通して身を粉にして働いてきた。今年は不調だし、人が当て推量をして批判的になるのは理解している。それは予期されることだが、われわれはここでいくつかの成功も収めてきた」と語ったという。

リンHCは2018年にチャージャーズを12勝4敗に導いており、これはこの年のAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)でのベストレコードタイだった。過去2シーズンのチャージャーズは急降下し、去る日曜日には3勝9敗でプレーオフ争いから除外されている。

チャージャーズのHCとして戦ってきた60試合で、リンHCは29勝31敗を記録。ポストシーズンでは1勝1敗となっている。

これまで2シーズンのチャージャーズからは大量の才能がけがによって失われており、それが苦戦の原因の一つでもあった。セーフティ(S)ダーウィン・ジェームズは2018年以来、5試合でしかプレーしていない。2020年の負傷者リストにはランニングバック(RB)オースチン・エイケラー、センター(C)マイク・パウンシー、ガード(G)トライ・ターナー、オフェンシブタックル(OT)ブライアン・ブラガ、コーナーバック(CB)クリス・ハリス、ディフェンシブエンド(DE)メルビン・イングラム、クオーターバック(QB)タイロッド・テイラーらがいる。

チーム体制が崩れ、接戦での敗北が続いたことで、ここ2シーズンのリンHCは苦戦を強いられている。リンHCが2ミニッツや試合終盤の舵を取りそこなったときもあった。タイムアウトの使い方が悪く、ゲームマネジメントと第4ダウンの決断も不振につながっている。

シーズンを通してチャージャーズのスペシャルチームは完全に崩壊していた。日曜日の敗戦では、チャージャーズのスペシャルチームが70ヤードのパントリターンタッチダウンやフィールドゴールブロックからのタッチダウンを許し、フィールドゴールを外して、複数のリターン時にフィールドに10名しかいなかった。また、トゥー・メニー・メン・ペナルティによってペイトリオッツがファーストダウンを獲得した他、キックを取りそこない、ホールドやフォルススタートをコールされて、ペイトリオッツにパントリターンで計145ヤードをマークされている。

先日にスペシャルチームコーディネーターを異動させていたリンHCは、このユニットに苦戦が続くのを鑑み、自分が引き継ぐことを検討していると語っていた。

「そこにいたことがある。前にやった。実際にそれを楽しんでいたが、ヘッドコーチとしてやることはたくさんあるので、そうするのは難しいだろう」とリンHCは話している。

日曜日に無得点に終わるまで攻撃部門年間新人賞の有力候補であるQBジャスティン・ハーバートが活躍しており、今季は通常ならコーチの仕事も安泰になるようなシーズンだったはずだ。

しかし、リンHCの立場は今でも危ういままだ。

チャージャーズには、3勝にとどまって12月第1週でプレーオフ争いから排除されてしまうようなチームには見合わないほどの才能ある選手たちがいる。

日曜日の惨敗を受けてもチャージャーズが決断を急ぐことはなく、シーズン後に状況を評価する意向だ。第13週のような試合が続くことがあれば、チーム上層部による査定は迅速に終わるだろう。

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