レイダースDEクロスビーのトレードを断念したことに「打ちのめされている」レイブンズGMデコスタ
2026年03月12日(木) 13:56
ボルティモア・レイブンズがディフェンシブエンド(DE)マックス・クロスビーのトレードを撤回してから24時間も経たないうちに、ジェネラルマネジャー(GM)エリック・デコスタはこの衝撃的な決断に関する質問に答えた。
要約すると、デコスタGMはラスベガス・レイダースのスターパスラッシャーを獲得するトレードの“手続きを完了”できなかったことに“打ちのめされた”と説明している。
現地11日(水)、デコスタGMは報道陣に「私たちはマックスをチームに迎え入れることとその可能性に本当にワクワクしていた」と述べた。
「私はすでに(レイダースGM)ジョン・スパイテックと話し始め、その話し合いを続けていた。順調に進展しつつあると本当に感じていたし、通常のトレードプロセスと同様に、このトレードにもさまざまな要素が関わっていたと言える」
「私たちはこれまでにさまざまなトレードを行ってきたが、重要なのは選手を迎え入れる際にできるだけ多くの情報を集めることだ。私たちもそうしたが、状況を評価した結果、選手を獲得する手続きを完了させられなかった。ものすごく残念だと思っている。間違いなく、非常に難しい判断だった」
デコスタGM率いるレイブンズは確かに多くのトレードを行ってきたが、2026年と2027年のドラフト1巡目指名権をレイダースに送るという今回のような規模の取引は初めてだった。フランチャイズ史上初めて、レイブンズは実績のあるベテラン選手を獲得するためにドラフト1巡目指名権を手放すことを決意。それはスーパーボウル制覇という1つの目標に向けた大胆な一手だった。
あとはクロスビーが身体検査を通過するだけだったが、そこでレイブンズは一連の問題に直面し、最終的に引き返す決断を下した。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポート、トム・ペリセロ、マイク・ガラフォロが火曜夜に報じたところによると、レイブンズは今オフシーズンに半月板の修復手術を受けたクロスビーの膝に潜むリスクを引き受ける準備が整っていないと判断したという。
水曜日、デコスタGMはチームがクロスビーの健康状態をどう評価したかについては語らなかったが、トレード不成立が決まった際にクロスビーやレイダースと交わした会話については明らかにした。
「厳しく、難しいことだった」とデコスタGMは振り返っている。
「あのような会話をするのは私にとって打ちのめされるような経験だった。彼らにとっても聞き入れがたいものだったに違いない。選手自身にとっても尋常じゃないほどつらいことだろう。おそらく、誰よりも(クロスビーにとって)つらいことだったはずだ」
火曜日にトレードから手を引いた後、レイブンズはすぐに方針を転換し、シンシナティ・ベンガルズに所属していたDEトレイ・ヘンドリックソンと4年1億1,200万ドル(約178億1,819万円)の契約に合意。デコスタGMは報道陣に対し、ヘンドリックソンはプランBだったわけではなく、センター(C)タイラー・リンダーバウムがレイダースとの契約に合意したことで実現可能になった、守備戦略の後半部分を担う存在だと述べた。
「私たちはマックスに注力し、その獲得に相当な注意を払っていた」とデコスタGMはコメント。
「すでに言った通り、彼は私たちに本当に合う選手だと思っている。そのスキルセットもね。彼と対戦したことがあるし、さまざまな面で心から尊敬している。自分たちにとっては、おそらく今年最大の基礎的な補強となる見込みだった。だから、“こういう理由で獲得する”という視点では見ていなかった。それよりも“フットボールチームとしてどう成長するか”という部分を重視していた」
「トレイに関しては、タイラーを失った後、フットボールチームとして成長するための最善の方法を模索する中で、トレイに注目するのが理にかなっているという考えに至った。そこで、彼やその代理人との話し合いを始めた。ディフェンシブラインの両サイドに2人のパスラッシャーを配置する可能性を考えながらね。繰り返しになるが、私たちにとって残念なことだったし、ある意味ではトレイにとっても期待外れの結果だったかもしれない」
デコスタGMがリンダーバウムに言及したことは重要だ。なぜなら、レイブンズが異例の規模で選手を手放した後にロースターを見直し、2026年リーグイヤー開始時点でチーム再編に向けて最も賢明なアプローチを取ったかどうかを疑問に思った可能性を示唆しているからだ。リンダーバウムが例年にない活況を呈するセンター市場で最も有望な選手であること、レイブンズが彼を引きとめられなかったこと、その結果としてオフシーズンで最も忙しい週の残り期間の動き方に影響が及んだことを踏まえると、リンダーバウムの退団は特に重要だった。
「だから、(クロスビーやヘンドリックソンとの)話し合いを始めていた」とデコスタGMは話している。
「レイダースとのトレードについてはすでに合意していた。もちろん、タイラーと契約しようとしていたが、それは実現できなかった。チームを改善する最善の方法を模索していたところ、あるときに“ああ、もしかするとこの選手は本当に私たちに合うかもしれない”と思ったんだ。私たちはこの4、5年ほど、(ヘンドリックソンと)年に2回対戦してきた。そして、“私たちがフットボールチームとして成長する方法はこれかもしれない”とも考えた。だから、それは確かに私たちにとって可能性の1つだった。実現すると断言はできなかったが、間違いなく検討し、ヘンドリックソンと話し合ったことだった」
基本的に、リンダーバウムに割り当てられていたキャップスペースが他に使えるようになったことで、デコスタGMは他の獲得可能な選手に関する選択肢を広げることができ、フリーエージェントに対する慎重なアプローチで注目を集めていたヘンドリックソンをチームに加える余地が生まれた。
レイブンズが予想外の数の選手流出を目の当たりにし、クロスビーのトレードに際してレイダースに口頭で約束していたドラフト指名権の価値を再評価し、積極的な合意内容を見直したのではないかと考えるのは妥当だと言えよう。
それが事実だったかどうかはおそらく永遠に分からないが、デコスタGMはチームがしばらくの間、外部から厳しい目や懐疑的な目を向けられ、最悪の場合には不信の目で見られることを承知している。
それはデコスタGMが覚悟の上で引き受けたリスクだった。
「懐疑的な目を向けられることは理解している。特に私のことをよく知らない人や、レイブンズの文化や組織のことを知らない人たちは疑問を抱くだろう」と述べたデコスタGMはこう続けている。
「だから理解している。最初に言った通り、私たちには責任がある。私自身にもレイブンズや地域社会、ファン、そして(オーナーの)スティーブ・ビスシオッティに対して、クラブにとって最善だと思うことを実行する責任がある。それこそ、私たちが常に心がけていることだ。私たちが下すすべての決断は、レイブンズにとって最善か、という考えに基づいている。それは非常に難しいことだ」
「そして、遠くから見ている人たちがそう感じるのも理解しているが、この件で誰よりも落胆しているのは私自身だ。実際、打ちのめされているし、後悔もある。大きな後悔だ。しかし、私たちはフットボールチームとして前に進む。そして、チームとして成長し、より良いチームとなり、ロースターを構築し、目指すべきチームになるための、多くの機会があると考えている」
レイブンズの動向を追う者は、一連の異例の出来事がクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンとの契約に関するチームの財政状況に影響するかどうかを疑問に思うかもしれない。デコスタGMは大きな変化はないと述べ、水曜日にはジャクソンとの契約を再構築して4,000万ドル(約63億6,356万円)のキャップスペースを確保したと明かした。
直前に尻込みしてトレードを断念したレイブンズに対する他チームのアプローチについては心配していないデコスタGMは次のように述べている。
「電話が鳴り止むことはない。それは確かだ。代理人や他チームとの関係は非常に良好だと思っている。質問の意図は理解している。GMたちは意思決定を行う前にできるだけ多くの情報を集める重要性を理解していると思うし、ほとんどの代理人も、私やジョージ(コキニス)、ニック(マッテオ)、マーク・アゼベド、オジー(ニューサム)、サシ(ブラウン)など、代理人と関わるすべての人も、私たちが正しい方法でビジネスを行い、敬意を持って取引を成立させる意思のある一流の組織だと言うだろう」
【RA】



































