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ハーツの先発デビューでイーグルスQBウェンツの将来に疑問符

2020年12月14日(月) 06:53

フィラデルフィア・イーグルスのカーソン・ウェンツ【AP Photo/Matt Ludtke】

第14週のニューオーリンズ・セインツ戦でジェイレン・ハーツがフィールドに立った時、彼はフィラデルフィア・イーグルスで初めて先発クオーターバック(QB)を務めることになる。それはこのところひどく停滞しているオフェンスをキックスタートさせる契機になるかもしれない。オクラホマ大学とアラバマ大学で活躍し、2巡目で指名を受けたハーツは、場合によってはカーソン・ウェンツのチームでの未来を決定づける可能性もある。

ハーツを選んだヘッドコーチ(HC)ダグ・ペダーソンによって先発から降ろされてしまったウェンツだが、組織の中には彼がまだNFLで優れたQBになれるという強い声が多くある。彼の獲得には多額の投資が行われている――2度の大がかりなトレード、全体2位指名権、4年間で1億2,800万ドル(約133億1,400万円)に上る契約延長。彼らはウェンツが先発として終わったなどとは考えていない。

彼はただ深呼吸し、再起動して、元の彼に戻るためにしばらくの時間が必要なのだとそうした人々は信じている。彼らはウェンツの前線復帰を待っている。まだ戻れると信じている。

だが、もしハーツが最初の先発で印象を残すことができれば、次もチャンスを与えられるだろう。そしてその次も。残る4回全てで印象を残せば、事態は複雑になる。

3年前にスーパーボウル制覇を成し遂げながらも、ペダーソンは現在苦境に立たされている。ハーツがチームを強いフィニッシュに導けば、ペダーソンの立場も安定し、さらには未来の先発としてのハーツの立場も強化されるかもしれない。

2021年シーズンを予測するにはあまりにも早すぎるが、その場合、ウェンツはトレード候補に挙がる可能性が高い。元フランチャイズスターターがポジション争いのためにキャンプに来るとは考えられないだろう。

NFLで決定権を持つ何人かに話を聞いても、ウェンツを欲しがる者はいくらでもいる。複数のGMと話したところ、ウェンツが先発として終わったと考える者は誰一人としていなかった。

彼の低迷には、重傷のオフェンシブラインと変動の多いレシーバーグループ、自信の低下という軽減要素があると彼らは考えている。

残りのサラリー――4年間、9,840万ドル(約102億3,400万円)――はNFLスターターとしては平均より低いくらいだ。実に魅力的なトレードといえる。ウェンツに先発が可能だと信じるチームがいるなら、金額は問題にならないだろう。

イーグルスにとってトレードは、重くのしかかる彼の契約を和らげることになる。彼らはそのための予算を組んでおり、ただ単にサラリーを投げ捨てるようなことはしないだろうと関係者は証言する。

もしペダーソンが去るならば、新しいHCが以前のカーソンを取り戻してくれるかもしれない。シーズン後に整理すべきことは山ほどある。

ハーツに関しては、スポットライトを浴びて舞台に立とうとしている。彼に何を期待すべきか? QB指導者のクインシー・エイブリーは先発としての練習をすることで準備はできるはずだと述べている。

「彼向けに設計された方法でプレーブックを開き、より時間をかけたプレー、多くのプレーアクション、足と腕を使ったプレーが可能になるだろう」とドラフト前のプロセスでハーツとワークに取り組んだトップQBトレーナーの1人であるエイブリーは述べた。「今週は相手にするディフェンスがディフェンスなので、難しいだろう。だが、彼はNFLレベルのQBであることを証明してくれるに違いない」

エイブリーによると、これまでドラフトプロセスを最初から最後まで見てきた中で、ハーツほど成長した期待の選手は他にいないという。それはNFLに来てからも続いている。

「彼は柔軟で、以前より自信を持ってフットボールを投げ、ドライブし、リズムに乗ったスローを見せていた」とエイブリーは続けた。「そしてもちろん、プレーに時間をかけることについても。彼は2020年のQBに望むことを全てやってのける」

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