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最終戦の先発QBはニュートンに「なるだろう」とペイトリオッツHCベリチック

2020年12月30日(水) 13:45


【AP Photo/Joel Auerbach】

ニューイングランド・ペイトリオッツのシーズンは、今季を締めくくる最後の無意味な試合を残すのみとなり、終了したも同然といえる。

この表現に違和感を覚えた人はたくさんいるだろう。ヘッドコーチ(HC)のビル・ベリチックがサイドラインで指揮する試合が重要なものではないというのは、さらに見慣れない光景だ。それはチームがすでにプレーオフ出場とシード権を確保したからではなく、2020年のほとんどの間、月並みだったからだ。

クオーターバック(QB)トム・ブレイディのいない初めてのシーズンで、シーズン第16週のマンデーナイトほどそれを象徴していた週はなかったのではないだろうか。ペイトリオッツはバッファロー・ビルズを相手に出だしで3対0とリードするも、その後はビルズの猛攻撃に成す術もなく、最終的には38対6で大敗を喫している。心ここにあらずともいうべく、ベリチックHCのチームはオフェンスの方向性すら示せていなかった。試合を通して4分を超えるポゼッションは1回のみ。7回のパントを強いられて合計でわずか201ヤードしか記録していない。

QBキャム・ニュートンもパス10回中5回を成功させてわずか34ヤードしか稼げず、パサーレーティングは57.9と振るわなかった。とはいえ、この試合ではほとんどの選手が似たようなものだった。唯一活躍したといえる選手は、10回のキャリーで69ヤードをマークしたランニングバック(RB)のソニー・ミシェルくらいだろう。ペイトリオッツが勝率5割以下で今季を終えることは確定しており、ニュートンが1年しか契約していないとあって、またしてもニュートンのプレーについて問われたベリチックHCは次のように答えた。

「彼はわれわれが頼んだことをやってくれた」

現地1月3日(日)のニューヨーク・ジェッツ戦にニュートンが先発するかについて、ベリチックHCは「そうなるだろうね」と短く返している。

その通りなのだろうが、それがすべてではない。バックアップQBのジャレット・スティッドハムについても触れる必要がある。ペイトリオッツがニュートンと約100万ドル(約1億円)の契約を結ぶまでは、先発QBの有力候補としてスティッドハムの名前が挙がっていたが、ニュートン加入によってその可能性は消滅した。スティッドハムがいつ出場するのかという問いかけは、今や毎週のお決まりとなり、ペイトリオッツ戦の実況中継中に間をつなぐ話題として定着しているくらいだ。眠気を誘うマンデーナイトの後半でも『ESPN』のブライアン・グリースは、ペイトリオッツがいかにスティッドハムを出場させるべきかを長々と語った。第4クオーターにその思いが届いてスティッドハムはフィールドに送り込まれたものの、パス11回中成功したのは4回で44ヤードを記録し、パサーレーティングは49.1に終わっている。見ての通りのひどい結果だ。

では、消化試合であるにもかかわらず、なぜもっとスティッドハムをプレーさせないのか。それはペイトリオッツがスティッドハムの実力をすでに見切っているからだろう。

ベリチックHCは29日(火)、「そう思ってもらって間違いない」と『WEEI』のライアン・ハナブルに話している。

ペイトリオッツがこの奇妙なシーズンに直面しているのは厳しく冷徹な現実ではあるが、失敗の中にも自由があるものだ。今後もニュートンに任せるつもりがないのであれば、ペイトリオッツにはオフシーズン中に新しいQBとともにチームを刷新するチャンスがある。そして断固としてスティッドハムを先発させないベリチックHCの態度を見れば、ペイトリオッツとしてのスティッドハムの運命は言うまでもない。

今は見苦しい状態だが、それが永遠に続くことはないだろう。日曜日の試合に関しては、第16週に見られたチーム全体の不振よりも良いパフォーマンスでニュートンが自身の2020年シーズンを少しでも形よく終われるかが要注目となる。

【R】