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ビエネミーOCがHC職を逃したことに驚くチーフスQBマホームズ

2021年01月29日(金) 15:29


カンザスシティ・チーフスのパトリック・マホームズ【AP Photo/Reed Hoffmann】

また一つのコーチングサイクルが終わった。そして、エリック・ビエネミーはカンザスシティ・チーフスにとどまっている。

チーフスの施設内にいる人々は、ヘッドコーチ(HC)アンディ・リードの長年の右腕である攻撃コーディネーター(OC)ビエネミーが、なぜ自らの船の舵取りをすることにならないのか驚いている。

『New York Post(ニューヨーク・ポスト)』によれば、クオーターバック(QB)パトリック・マホームズは現地28日(木)、『Dan Patrick Show(ダン・パトリック・ショー)』で「正直言って驚いた。最初の年は“オーライ、まだ最初のサイクルだからな”って感じだった。それで、去年は面談がいくつかあって“これは確実に仕事をゲットするぞ”と思った。それで今年だ」と話したという。

ビエネミーがHCになっていない理由は薄く、簡単に反論されうるようなものだ。

「彼の業績や、俺たちにどういった指導ができたか、彼がどう率いることができたか――人はそういうけれど、いろいろなバックグランドがあって、人種もバラバラで、すべてが異なる人間たちのいるロッカールームを率いることができるのは特別な才能なんだ。それは一つの才能で、彼にはそれができる」とマホームズは言う。

プレーコールの経験がないことがビエネミーのHC雇用を妨げたという考えは意味のないものと化した。今回のサイクルで雇用されたコーチの半分近く――ダン・キャンベル(ライオンズ)、デビッド・カリー(ヒューストン・テキサンズ)、ニック・シリアニ(フィラデルフィア・イーグルス)が、プレーコールを経験していない。マホームズは次のように続けた。

「ゲームを通じて彼がどうプレーできるかは――もちろん俺たちにはリードコーチがいて、リードコーチがプレーコールしているのは分かっているけれど、ビエネミーコーチから大量のインプットがあって、俺たちのゲームプランの中で彼がプレーコールしている部分がたくさんある。それが見過ごされている。つまり、誰がそういうことを知っている? NFLの他の全員にとっての損失で、俺たちのゲインだな。彼がチャンスをつかめたらいいなと思う。どんなものであれ、彼なら成功するだろうから。でも、そうならないのであれば、俺たちは彼が戻ってきてくれて大喜びさ」

ビエネミーはチーフスと共に2年連続でスーパーボウルの舞台を踏む。もしかしたら、各チームがそれを待ちきれなかったのかもしれない。しかし、過去の例を見ればそれも否定されてしまう。2018年にはマット・パトリシアがスーパーボウルで敗北した後にデトロイト・ライオンズのHCに任命されている。

他の人々がHCになっていく一方、ビエネミーはチーフスのスーパーボウルでの戦いをサポートし続ける。

リードHCは「彼がいてくれてうれしい。だが、彼がいることがそれほどうれしくない気持ちもある。私は本当に、彼がこの仕事に就くチャンスをつかんでほしかった」と複雑な心境を明かした。

来年は、きっと。

チャンスは再びめぐってくるはずだ。

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