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「見本となる人がいなかった」と歴史的な昇格を果たしたジェニファー・キング

2021年01月29日(金) 15:34

ワシントン・フットボール・チームのジェニファー・キング【AP Photo/Julio Cortez】

ワシントン・フットボール・チームがジェニファー・キングをランニングバック(RB)コーチに昇格したことにより、彼女はNFL史上初のアフリカ系アメリカ人女性アシスタントとなった。

36歳のキングはコーチとして次のステップの重要性を認識している。

キングは「なにかを代表しているというのはとても大きな意味を持つ」と『ESPN』に話している。「今はいい見本になることがすごく大切だと思っている。私には見本となる人がいなかった。自分と同じような人がこの世界で働いているのを見たことがない。それを実際に目にできるのは大きなこと。その見本になれることを誇りに思っている」

サンフランシスコ・49ersでアシスタントコーチを4シーズンにわたって務めたケイティ・ソワーズなど、女性の活躍の場を広げてくれた人たちのおかげだとキングは言う。彼女は今、次世代の女性コーチのために同じことをしたいと思っているが、まだ先駆者としての自覚はないようだ。

キングは「これから10年、15年たって振り返った時に、やっと成し遂げたことの大きさを感じるものだと思う。ずっと男性と一緒に仕事をしているから今さら違和感はないんだけど」と話した。

カロライナ・パンサーズとワシントンで合計3年間をインターンとして過ごしたのちにアシスタントの職務を得られたことは、キングの次のステップとして理にかなっていると言える。

ワシントンのRBであるJ.D.マキシックは、2020年に活躍できたのはキングの後押しがあったらだと話す。

マキシックは「彼女はすでにアシスタントコーチだといつも思っていた」と『Washington Post(ワシントン・ポスト)』のニッキー・ジャバラに述べている。「俺の活躍に彼女は一役買っているよ。次の一歩を踏み出すのを助けてくれた。パンサーズのRBクリスチャン・マカフリーとやっていたように、プレゲームでプレーさせてもらったりとか、すごく小さいことなんだけど、成長する機会を与えてくれた。彼女はワシントンでもそのやり方をうまく使って、そういう方法で俺を後押ししてくれたんだ」

結局のところ、ほとんどの選手はコーチの性別など気にしない。これは幾度となく言われているが、いくらでも繰り返す価値のあることだ。選手は、その人が自分たちを成長させ、より多くの試合に勝ち、次の給料ももらえるような選手にしてくれるコーチかどうかだけを知りたい。フィールド上で他のことはどうでもいい。

キングはこの機会を与えてくれたヘッドコーチ(HC)のロン・リベラのサポートも称え、次のように語った。

「上にいる人たちに手を差し伸べてもらうことはとても重要。フットボール界の高いレベルでも女性が活躍できることに気づき始め、機会を与えてくれるようになった。それだけ単純なこと。“われわれの力になってくれる人たちがいる。他の人と見た目は違うかもしれないけど、私は彼女たちに機会を与えたい”ってね。クレイージーだけど、やっと気がついてくれた。私はそのことにとても感謝している。それより彼らが心を開いてくれていることにものすごく感謝している」

【R】