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QBゴフには多くの力が残されているとRBガーリー

2021年02月04日(木) 17:48


アトランタ・ファルコンズのトッド・ガーリー【AP Photo/Danny Karnik】

ロサンゼルス・ラムズのクオーターバック(QB)ジャレッド・ゴフをデトロイト・ライオンズに送り出すトレードが明らかになったとき、ランニングバック(RB)トッド・ガーリーはうなずかざるを得なかった。ゴフがどう感じているかが、ガーリーにはよく分かっていたのだ。

ラムズと高額の契約を結び、長きにわたってロサンゼルスにとどまることを想定していたガーリーは、そこからわずか2年でその地を離れることになった。今から1年前のことだ。ラムズはガーリーをカットし、ガーリーに当てていた資金を他に回す方がチームの利益になると判断した。

3,100万ドル(約32億6,000万円)を手にしたばかりながらも、4年延長した契約期間はこれから始まるところだったゴフは、マシュー・スタッフォードとの大型のQB交換の一環としてライオンズへ向かう。その心中にあったものは「自分を求め、評価してくれる場所」に向かう喜びだ。

ガーリーがアトランタに見いだしたものも同じだった。ラムズからアトランタ・ファルコンズに移ったガーリーは、678ヤードを走り、キャリー195回でタッチダウン9回を記録している。取り立てて見事な成績だったわけではないが、新しいチームで重要な役割を担っていた。

現地3日(水)に『NFL Network(NFLネットワーク)』に出演したガーリーは、ゴフがライオンズに移るトレードについて「前にもあったことで、俺にとっては今回も驚きではない」と話した。

「でも、俺はゴフが好きだ。ゴフはいいやつさ。いいやつかどうかなんて誰も気にしないけど。俺はただ、彼がどこかへ移ることができて、両腕を広げて歓迎され、一方的にジャッジされるんじゃなくて、プレーさせてもらえることがうれしい。彼が全体1位で指名されたのにはそれなりの理由があるし、まだ力がたくさん残されている。俺はただ、彼がハッピーでいてほしい。ただ彼がそこに出ていけることを願っている」

「彼にとってはきっといいことだろ? これで戦う理由が増えたってわけだ。不満をぶつけてやりたいって選手は多いけど、フランチャイズQBがチームをスーパーボウルまで連れて行ったのに、その2年後になって全然違うチームにいるっていうのはわけが違う。俺が彼に言ったように、俺は彼が大好きだし、ただ彼がハッピーでいて、自分のやることを続けてほしいだけだ」

モチベーションが少しばかり高まることは決して悪くない。ガーリーが指摘するように、ラムズが2シーズン前にどのような位置にいたかを忘れてはならないだろう。彼らはスーパーボウルでトム・ブレイディ率いるニューイングランド・ペイトリオッツと戦う準備を進めていたのだ。

26歳のゴフには、まだ多くの力が残されている。そして、ライオンズがゴフと同じフライトでデトロイトにやってきたドラフト指名権を十分に活用してロースターを改善できれば、ゴフは素晴らしい位置につけることができるかもしれない。

また、他に興味深いポイントとしては、今回の動きがこれから3年から5年の間でラムズにどういった影響を与えるかだ。ヘッドコーチ(HC)ショーン・マクベイとジェネラルマネジャー(GM)レス・スニードは勝利できるチームの作り方を知っていることを証明してきた。しかし、いったん動くべきときだと判断すれば、チームの最も価値ある選手に対してさえよそよそしい態度を取れることをも証明している。

フリーエージェント(FA)の才能にアピールしようとしたとき、こういったタイプの動き――苛烈とまでは言わずとも、間違いなく冷血なビジネス上の決断――がラムズというチームをどう見せるかについては懸念の残るところだ。何にも勝るのは勝利だが、忠誠心――もしくはその欠如――も大きな要素となり得る。

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