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健康と安全を最優先とするスーパーボウルウイーク到来

2021年02月04日(木) 18:59


第55回スーパーボウルの開催地、レイモンド・ジェームス・スタジアム【Perry Knotts via AP】

カンザスシティ・チーフスまたはタンパベイ・バッカニアーズが王者となってスーパーボウルを締めくくる時、前例のないNFLシーズンもまた幕を下ろすことになる。

シーズンの終わりを目前にして、NFLとNFL選手会(NFLPA)は最後の瞬間まで気を抜かず、フロリダ州タンパで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)プロトコルを貫き通すつもりだ。

そのため、何を置いても健康と安全を最優先とする今年のスーパーボウルと、会場のレイモンド・ジェームス・スタジアムは今までと大きく様相を変えることになる。数多くの安全プロトコルが実施されることになり、アクティブロースターに載っていない選手用の着席エリアが作られ、各セクションには数列ごとにLEDスクリーンが設置されて、ファンとチーム関係者の間に20フィートのバッファが設けられる。

「それらの作業は全て進行中だ。だが、建物の安全と参加者全員の安全を守るための準備を徹底することは重要なキーピースなのだ」と『NFL Events(NFLイベンツ)』のシニアディレクター、エリク・フィンケルスタインは述べた。

7万5,000人の収容能力を持つレイモンド・ジェームス・スタジアムはそのうちの2万5,000席にファンを迎えることになり、多くはスペシャルゲストとしてビッグゲームに招待されたワクチン接種済みの医療従事者たちだ。

「私たちの最も重要なMVPの方々へのNFLからのギフトです」とNFLイベンツのディレクター、ダフネ・ウッドは7,500人の医療従事者を招待したことについて述べた。「国家として私たちがCOVID-19から回復できるよう、文字通り全力で立ち向かってくれた人々です」

ファンが座るのは座席の3分の1だけだが、残りの席も空いたままではない。

「間を空けて座ってもらいつつ、それでも本当に楽しい空間にしようと、ファンの間に3万人分の等身大パネルを設置することにしました」とウッドは述べた。「これにより、人々は実際にスタンドに足を運ばずとも、スタンドで応援することができます」

観戦するファン全員には個人保護具(PPE)が配られ、多数の安全プロトコルの1つとしてその着用が義務づけられる。他にも、最低6フィートの距離を保つことや、全てのチケットをモバイルデバイスで提示すること、また少しでもCOVID-19に関連した症状がある場合は家にとどまることなどがプロトコルに含まれている。

「完全なキャッシュレスを実現する」とフィンケルスタインは最も普及している安全対策について述べた。

もしファンが現金を持ってきた場合にはチャージ用のATMを利用して、フードや飲料を購入するためのカードを入手する。

シーズン中と同様に、選手、コーチ陣と重要スタッフはスーパーボウルまで日々のウイルス検査を受け続ける。接触追跡プロトコルについても同様に適用される。

当日、両チームのロッカールームに入れるの選手以外の従業員が最大40人までとなり、メディア関係者は入れない。フィールドに出られるのはゲームデーの関係者とチームメンバーだけで、練習チームや故障者リストの選手であっても、スーパーボウル向けにフィールドから離れた場所に作られた特別なセクションに座らなければならない。

複数のイベントが中止または外部での開催となり、今までとは大きく異なるスーパーボウルウイークになる。もう一つの大きな違いはチームの移動で、チーフスが現地入りするのは6日(土)になってからだ。

異例のシーズンも終わりに近づいているが、NFLとNFLPAはシーズン最大のゲームのために、そこに関わる選手、コーチ陣、そして全員の安全を確保しようと今も強力なプロトコルを貫いている。

【M】