QBプレスコットとの契約に悔いなしとカウボーイズオーナーのジョーンズ
2021年03月11日(木) 19:44ダラス・カウボーイズは今週、クオーターバック(QB)ダック・プレスコットの玄関先に保証会社のトラックで乗り付け、2年近くフットボール界が待っていた言葉をもたらした。ジェリー・ジョーンズは――今もこれからも――高い買い物を後悔しないという。
自身のビジネス経験を元に、自ら主導となってプレスコットと1億6,000万ドル(約173億5,000万円)の4年契約を結んだことについて、払いすぎだとは思わないかと聞かれ、カウボーイズのオーナーは語気を強めた。
「私がカウボーイズを買った際、あれこれ言われたこととはまた別に、あんな大金をカウボーイズのために払うとは何と愚かなことかと周りから散々言われたよ」と現地10日(水)の記者会見でジョーンズは振り返った。「誇張ではない。しっかりと記憶している。それはもう、ひどい言われようだった」
「事実を言うと、過去に私が関与し、最終的に特別な何かになったものはほぼ全て、気前よく投資したものばかりだ。一貫してね。私がお買い得品に手を出すと、毎回それなりのものしか返ってこない。多くの面でそれはやはりお買い得品でしかなく、標準に満たないものばかりだった。また、ダックのルーキー契約からここに至るまでのプロセスにおいて、私はダックがここにいることを望み、他のどこにも行きたがってはいないことを知っていた。ダックもきっと、ここに合っていることを知っていたのだろう。彼の不安も分かるけれどね。これは、“ダックに対処ができるのか?”といったテストの類などでは全くなかった」
奇妙な話ではあるが、不運でむごい足首のけがで2020年を早期に終えたことによって、プレスコットは最大限に近い形で自分の価値を証明することになった。昨年、両者は契約について同意できず、プレスコットはフランチャイズタグの下でプレーしていた。それは彼にとって自分を賭けたギャンブルに敗れたも同然だった。
しかし、今週結ばれた契約はその逆で、彼の自分自身への信頼と確信、そしてカウボーイズのQBとしての役割を証明するものだった。
「俺にとってはギャンブルなんかじゃなかった」とプレスコットは説明した。「フィールドの上で足を抱えて座り込んでいる時も、それを元に戻そうとしている時も、その後病院で手術から目覚めた時も、それは神が俺に与えてくれたものだ。俺の人生、俺の物語を知っている人なら誰でも、どんな状況であれ、俺は笑顔でをそれを受け入れるって分かるはずだ。神は俺に乗り越えさせるためにこの場所に立たせ、他者の手本となるようにしてくれた。そのことに感謝する。だからギャンブルなんてあり得ない」
「アレックス・スミスには感謝しなくちゃならない。けがを負って座り込んでいる時、あるいは手術を終えた時に、それをすでにやってのけた人がいて、もっと悪い状況でも乗り越えた人がいるのを見て、俺の迷いは消えた。“俺ならやれる。こいつに打ち勝つ。時間の問題だ。医者が何と言おうと、俺は打ち勝つ”って思えたんだ。だからけがを乗り越え、年間最優秀カムバック選手賞に選ばれたアレックスに感謝し、祝福しなくちゃな」
「決まり文句だろうけど、もう一度言うよ。ギャンブルしたって言うのは俺に対する侮辱だ。与えたものに対して見返りがある。俺はたくさんのものを与えてきたし、これからも与え続ける。報酬ってのはそうやって獲得するんだ」
彼は気前の良い契約によってQBとしてNFL史上2番目に高い報酬を得ることになった。今は両者の溝が埋まり、共にチャンピオンシップに向けて再び歩み始めたことを祝うべきだろう。
プレスコットは10日、けがの性質や自身の取り組み方を理由に、フットボール再開の“時期”を特定しなかったが、現在の状況については自信を持っている様子だった。契約問題が解決した今、プレスコットと2021年のレギュラーシーズンの間にある最大のハードルは、手術によって修復した足首に必要な残りのリハビリ期間だ。
「大事な時までには準備が整う」と彼は述べた。「その時の俺は過去最も健康で、絶好調になっている」
準備は整い、財布は潤うはずだ。自分は正しい場所にいると彼は強調し、「俺は最後までこのスターを付けて戦うことについて、一瞬たりとも疑ったことはなかった」と述べた。
これから、タイトルを狙えるメンバーで彼の周囲を固められるか、それはジョーンズファミリーに懸かっている。健康なプレスコットがいれば、カウボーイズはNFC東地区で一番のチームになれるかとの質問に、かつて反目していたプレスコットとジョーンズは足並みをそろえた。
「ああ」とプレスコットは答えた。
「もちろんだ」とジョーンズが付け加えた。
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