スタジアムの座席が列ごとに使用禁止となり、収容人数を制限してファンはばらばらに着席するというこれまでとは全く違うシーズンを終えたNFLは、通常の形に戻ろうと準備を進めている。

NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは現地30日（火）、リーグは2021年シーズンに満席のスタジアムを想定していると語った。

この発言は、チームによってはシーズンを通して一人も観客がいなかった2020年のリアリティからの大きな進展を示している。観客をスタジアムに入れられたチームも、地元および州のガイダンスに沿った限定数でのファン動員にとどまった。

スタンドにいるファンはマスクの着用と距離を取ることを義務づけられ、第55回スーパーボウルではレイモンド・ジェームス・スタジアムの座席の多くが人間ではなく、ファンの写真パネルで埋まっていた。そういった状況の中でも、リーグは2020年シーズンに全体で120万人のファンを現地に迎え入れることができた。

グッデルによれば、火曜日にバーチャルな形で開催された年次ミーティングの多くの時間でワクチンについて話し合われ、全員がワクチン接種済みとなるための選手、コーチ、スタッフへのワクチン教育が議題になったという。『NFL Media（NFLメディア）』のジュディ・バティスタが伝えた。

『NFL Network（NFLネットワーク）』のトム・ペリセロは『Twitter（ツイッター）』にて、開幕を5カ月後に控えてグッデルには楽観的な姿勢が顕著だったと述べている。アメリカ全土でワクチン接種の努力が続けられており、キックオフの頃までにはフットボール界がパンデミック前の通常の環境に戻るという期待が持たれている。

ワクチンの部分ではさらなる進展が見込まれ、半年近くの期間が残っていることから、希望をもったアプローチが取られるのも理解できる。NFLは検査、ディスタンシング、マスク着用、隔離といった部分で他のスポーツのスタンダードになる優れた実績を残しており、今度はスポーツ界とアメリカでの生活が従来のものにより近い形に戻るための働きかけで先駆けとなろうと努力するだろう。

実現するかどうかを今の段階で言うのは早すぎるが、少なくとも友人や家族、フットボールと距離を取って過ごさなければならなかった1年を終えて、今は楽観的なアプローチが取られようとしている。成長を続けるゲームに2021年は多くの人が戻れることを祈ろう。

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