ナンバー1のQBフィッツパトリックにも競争はさせるとワシントンHCリベラ
2021年04月02日(金) 11:22ヘッドコーチ(HC)ロン・リベラはワシントンでの最初のシーズンから多くのものを学んだ。
リベラはクオーターバック(QB)アレックス・スミスが本気でカムバックを企図していること、そして、実際にそれが可能だったことを知った。ドゥエイン・ハスキンズは自分のQBではないことを知った。また、テイラー・ハイニケには才能があるかもしれないということを知った。
2度目のシーズンでリベラHCは同じ過ちを犯さない。たとえ、チームがジャーニーマンであるQBライアン・フィッツパトリックと契約したとしてもだ。多くの人々がフィッツパトリックを2021年の先発だと見ている。
「去年の私のミスの一つは、本当の競争をさせなかったことだ」とリベラは現地1日(木)に話した。
「私の考えではドウェインにできるだけ練習させ、プレーの準備を整えさえるという案だった。今回は誰が先発かは分かっているが、彼は他の全員と戦うことになる。私はわれわれに勝利のための最大のチャンスをもたらし、フットボールチームとして成長していく最も大きな可能性のある選手にプレーさせたい」
リベラはフィッツパトリックがナンバー1QBとしてチームにやってくる一方で、競争から除外されているわけではないとコメント。また、必ずしもドラフトやフリーエージェンシーで別のQBを獲得する可能性を除外するわけではないとも話している。
「自分たちの前で起こっていることに反応していくつもりだ。われわれの位置からの指名だと、多くのことが起こり得る。われわれにはターゲットやアイデアがあり、自分たちが気に入った選手がいる。しかし、他の人々の選択がある以上、それは常に変わっていくので、今の段階ではどうなるかまったく分からない」
リベラが木曜日に語ったのはほとんどがスタンダードな内容だったが、興味深いのはなぜワシントンがフィッツパトリック獲得に動いたかだった。マシュー・スタッフォードとジャレッド・ゴフのトレードがあり、ワシントンがスタッフォードとの契約を結べなかったことから、チームは“経験があり、われわれの成長を助けてくれる選手を獲得”する方向に動いたのだという。自分にとってのフィッツパトリックの魅力を尋ねられたリベラは次のように話している。
「ベテラン選手だ。熟練のベテランであり、多くの成功を収め、たくさんのQBや多くの若手QBたちと働いたことがあり、さまざまなシステムを経験してきた。彼の数字を分析すれば、過去2年のプレーで実際に進歩している。だからこそ、こういったタイプの選手を迎えることには多くのポジティブな要素がある。私は本当に、とてもエキサイトしているんだ」
スミスがこれを読めば一言いいたいところかもしれない。しかしながら、結局のところスミスと別れ、これまでの記録上はより信頼できるオプションであるフィッツパトリックを迎えることが、財政的には意味を持つ選択だった。
とは言え、フィッツパトリックは長期的なソリューションではない。ワシントンはより長い目で見た将来に向けて、別の答えを見つけなければならないだろう。それでも、リベラにはそれを今やらなければならないというプレッシャーはない。
「いや、他のすべてのピースがきちんとそろっているときに前進していけるのだから、その選手が現れた時、そして、その選手が適切な位置にいるときが、彼を獲得するときだ」とリベラは説明する。
「カロライナで初めてHCを務めたとき、違ったやり方でそれを実行した。われわれはドラフト1巡目で将来のQBを獲得した。最初のプレシーズンゲームが終わった後、私は彼を常任の先発選手にしたんだ。将来のQBだった。その時点でわれわれはキャム・ニュートンの周りに他のピースをそろえられていなかった。やっとそれがまとまったのが2015年だった。いつも考えるのだが、別のやり方をして、他のピースをすべてそろえて、そこにQBを持ってくれば、それもかなりいい状況にならないだろうか」
「そうなると、まずはすべてのピースをそろえ、今から1年か2年後に適切な選手がいて、われわれがその動きにでるという状況があり得る。だが、どうなるかは見てみよう」
どの方向に進むにしても議論があるのは間違いない。一人のQBの最初の数年間はしばしばその周囲のピースと同じくらい重要なことがあるが、トップクラスの才能がそろっているという理想的な状況にフレッシュなシグナルコーラーを投入するという方法にも確かに害はない。タイミングがすべてだ。
今のところ、まさにそのタイミングがフィッツパトリックをリベラのチームに呼び込んだ。フィッツパトリックがシーズン第1週の先発の座を確定させるかは、トレーニングキャンプで決まるだろう。
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