これまではOLに「力を入れていなかった」とチーフスHCリード
2021年05月14日(金) 12:07カンザスシティ・チーフスの2020年シーズンは、スーパーボウルでフランチャイズクォーターバック(QB)のパトリック・マホームズがタンパベイ・バッカニアーズの怒涛のパスラッシュに圧倒されるという形で幕を閉じた。このオフシーズンにチーフスはオフェンスライン(OL)の補強に乗り出している。
チーフスがスーパーボウルで惨敗した最大の理由は、負傷者や欠場者が目立ったOLの弱さにあると言われてきた。
しかしながら、ブリガムヤング大学とグレンデール・コミュニティ・カレッジでOLをプレーしていたチーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リードは、バッカニアーズ相手の敗戦はOLだけの責任ではないと考えている。だが、このユニットが軽視されていたとも感じているようだ。
それがオフシーズンの焦点となった。
現地12日(水)、『Schedule Release ’21(スケジュール・リリース’21)』に出演したリードHCは、「あのスーパーボウルのチームにいた一部の選手は残っている。だから、われわれには素晴らしい人材がそろっており、競争もあるだろう」と『NFL Network(NFLネットワーク)』のスティーブ・マリウッチに話した。
「君も知っている通り、競い合うことで全員の良さが引き出される。それが今のOLだ。彼らは戦い抜くだろう。スーパーボウルに出た選手たちはタフなやつらだ。あの日はついてなかっただけさ。何より、試合が思うようにいかなかったのは彼らのせいばかりではないし、そっちの方向に持っていくつもりもない。ここ最近OLに力を入れていなかっただけだ。だからそこを強化することにした」
レフトタックル(LT)のエリック・フィッシャーとオフェンシブタックル(OT)のミッチェル・シュワーツがケガで離脱し、オフェンシブガード(OG)のローレント・デュバニー・ターディフがシーズンをオプトアウトしたため、スーパーボウルで先発したチーフスのOLはLTマイク・ラマ―ス、レフトガード(LG)ニック・アレグレッティ、センター(C)オースティン・ライター、ライトガード(RG)ステフェン・ウィスニースキー、ライトタックル(RT)アンドリュー・ワイリーだった。
あのスーパーボウルでの敗北以来、多くのことが変わった。
フィッシャーとシュワーツはカットされ、デュバニー・ターディフが復帰し、ラマース、ワイリー、アレグレッティもチームに残る。その一方で、このオフシーズン中にチーフスはOLに大金を投じ、注目度の高い人材が続々と加わった。ボルティモア・レイブンズとのトレードでタックル(T)のオーランド・ブラウンを獲得し、元ニューイングランド・ペイトリオッツのスターG、ジョー・トゥニーとロサンゼルス・ラムズのCオースティン・ブライスとも契約を結んでいる。さらには、元プロボウル選手でシカゴ・ベアーズを最後に引退していたOGカイル・ロングを現役に復活させた。
チーフスのスーパーボウルでの失敗はOLだけに責任があるわけではないが、弱点だったことは確かで、チーフスはそれに対処したと言える。
フィッシャーとシュワーツが負傷した後の昨年のOLとは対照的に、今は選手層の厚いOLとなる。
バッカニアーズ戦では2度のサックとインターセプトを受けたマホームズの前には、刷新され、おそらく非常に改善されたOLが立ちはだかることになる。先発5人がどのような顔ぶれになるかはまだ決まっていないが、リードHCはマホームズがその短いながらもセンセーショーナルなキャリアの中で人々が慣れ親しんできた華麗なパフォーマンスを発揮できると確信している。
「パトリックに関して言えば、彼はその時にそろっている5人のベストメンバーでプレーすることになるだろうし、彼は誰とでもプレーできるだろう。彼はフィールドに出て自分の仕事をやり通す」とリードHCは自信を見せた。
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