チャージャーズのOLがQBハーバードの力を最大限に引き出すとHCステイリー
2021年05月14日(金) 12:03ヘッドコーチ(HC)に新しくブランドン・ステイリーを迎えたロサンゼルス・チャージャーズがこのオフシーズンに掲げた目標は、成長著しい若手クオーターバック(QB)ジャスティン・ハーバートを守るオフェンスライン(OL)を改善するというシンプルなものだった。
チャージャーズはセンター(C)のコリー・リンスリーに大金をはたき、フリーエージェント(FA)経由でガード(G)のオデイ・アボーシとマット・ファイラーを追加している。さらにチームは1巡目の指名権でオフェンシブタックル(OT)のラショーン・スレーターを、5巡目の指名権でバックアップのGとしてブレンデン・ジェイムズを獲得した。
スレーター、アボーシ、リンスリー、ファイラー、ライトタックル(RT)のブライアン・ブラガによって構成されるOLは、昨シーズンのハーバートの前にあったOLよりも大幅にアップグレードされていると言える。
現地12日(水)に『NFL Network(NFLネットワーク)』の番組『Schedule Release ’21(スケジュール・リリース’21)』に出演したステイリーHCは、ハーバートにより良いプロテクションを与えることで、若きQBが次のレベルに到達できると語った。
ステイリーHCは「われわれは完成度の高いオフェンス、チームを目指している。それによってジャスティンの力を最大限に引き出すことができるはずだ」と述べ、次のように続けている。
「彼がいかに特別な存在であるかは誰もが知っていると思うが、われわれがやりたいのは、スクリメージラインにつく選手全員が強いチームになることだ。FAだった選手たちはこのリーグの前線で本当に高いレベルでプレーしてきた。コリー・リンスリーとジャスティンがチームの中心となってオフェンスを展開できれば、それがこのチームにとっての強みになると考えている。単純にもっとフィジカルなチームを目指していると言ってもいい。ドラフトしたラショーンの活躍には期待している。それによって、スキルのある選手たちがもっと活躍できるだろう。例えば(ワイドレシーバー/WR)キーナン・アレンとマイク・ウィリアムス、(ランニングバック/RB)オースチン・エイケラー、(タイトエンド/TE)ジャレッド・クックといった選手たちだ。このチームにはたくさんの武器があるから、ジャスティンが高いレベルでプレーできることは間違いない」
昨シーズンのハーバードはスナップの瞬間から強烈なプレッシャーを受けていた。『Pro Football Focus(プロ・フットボール・フォーカス/PFF)』によれば、チャージャーズのOLはパスブロック効率でNFL内28位となっており、昨シーズンにQBジョー・バロウが叩き潰されたことでやり玉に挙げられたシンシナティ・ベンガルスのOLよりも一つ下の順位となる。PFFによると、チャージャーズが許したプレッシャーは合計201回と、リーグ内で最も多いチームとして同率2位だった。
ハーバートは大きなプレッシャーを目の前にしても優秀な成績を収め、AP通信オフェンス部門年間最優秀新人賞に輝いている。若きQBは攻撃を受けても時間通りに正確にプレーできることを証明した。去年よりも相手ディフェンスを切り崩す時間が与えられたら、彼には何ができるだろうか。
ただ、ジェネラルマネジャー(GM)トム・テレスコがOLを立て直そうとしたのは今回が初めてではないことを忘れてはいけない。彼はもう何年もこの課題に取り組んでいるが、その度に失敗してきた。
チャージャーズが長年オフシーズン中に誇大広告をしてきたチームから、優勝争いに絡むチームへと次のステップを踏むためには、テレスコGMの動きは紙面上だけでなく、フィールド上でもうまく機能する必要がある。
【R】