元QBのジェイ・カトラー、自分ならベアーズ初戦でフィールズを「使わない」
2021年05月30日(日) 21:40クラブが未来のフランチャイズクオーターバック(QB)を指名した途端、話題とヘッドラインは直ちに、未来の司令塔がいつフィールドに登場するのかということで持ちきりになる。
2021年のシカゴ・ベアーズがまさにその例だ。NFLドラフトでトレードアップによって全体11位で獲得したオハイオ州立大学出身のジャスティン・フィールズのデビューがいつになるのかということが、最近の唯一の話題と言ってもいいほどだ。
ベテランQBアンディー・ダルトンがいて、有望株のフィールズがいる。そうなると、できるだけ長くダルトンでつないで、いずれ来るフィールズ時代のスタートを遅らせるのか、それとも最初から彼に投げさせるのか、どちらがいいだろう。
ベアーズ史に多くの記録を残した元QBのジェイ・カトラーは、コンサバティブなルートが正解だと考えている。
「俺なら最初からお子さまを使うことはしないね」と彼は今週出演したラジオ番組で語ったと『Chicago Tribune(シカゴ・トリビューン)』が伝えている。「まずはそこから始める。俺なら見学させておく。いきなり放り込むにはきついポジションだ。シカゴとなるとなおさらだ。それに、まだアンディーは十分にやれる。彼らはアンディーで勝てるはずだし、しばらくはそのまま進行して(フィールズの)準備ができるのを待てばいいと思う」
シーズン初戦でフィールズを先発させるとすると、ルーキーの最初の対戦相手は、ディフェンシブエンド(DE)アーロン・ドナルド、コーナーバック(CB)ジャレン・ラムジーを擁し、2020年のディフェンスランキングでトップに立ったロサンゼルス・ラムズの守備陣ということになる。
カトラーは時にベアーズファンから――そしてベアーズファン以外からも――嫌われがちだ。しかし、彼はキャリアの大半を通してエリート級の腕を持ち、シカゴにいた8シーズンの大部分で先発の座を保持し続けた。パッシングヤードとタッチダウンでは大差でベアーズの記録を持っている。
つまり、少なくともベアーズでのプレーについて語る資格はあるということだ。ベアーズに来る前の彼は鳴り物入りでデンバー・ブロンコスに1巡目指名を受けた選手で、それはくしくもフィールズと同じ全体11位指名だった。
「(シーズン)最初のゲームのことは覚えている、俺がプレーするんじゃないかっていううわさがあったんだ」とカトラーは述べた。「“まだここで何が起きてるのかも分かってないのに?” って思ったよ。“ちょっと理解する時間をくれよ”って感じさ。(第1週は)セントルイスの旧ドームにいて、すごい騒ぎだった。あのゲームは(オフェンスで)山ほどチェックがあった。全てをチェックしていた。なのに何一つうまくいかなかった」
「試合は(18対10で)負けたよ。それを見て俺は、“もしこのゲームで俺が出るなら、1日目まで巻き戻すべきだ。さもなきゃ俺はおしまいだ”と思ったよ」
1巡目指名のQBがいるフランチャイズのファンは、クリスマスの朝に一番欲しかったプレゼントを開けるのが待ちきれない子どものようなものだ。だが、若いQBというのは壊れやすい。
フィールズへの称賛を口にするカトラーだが、同時に扱いは慎重にすべきという姿勢も崩さない。
「彼が準備OKかどうかは誰にも分からない」とカトラーは言う。「まだプレシーズンやらトレーニングキャンプやらいろいろある。分からないよ」
「QBのポジションってのは――特に1巡目指名で、それも少し苦戦中のチームとなれば、“大丈夫。彼は100%準備OKだ。もう任せられる”と言うのは難しい。俺が間違っていればいいけどな」
「明らかに才能はある」とカトラーはフィールズを評した。「動けるし、投げられる。オハイオ州立大学でたくさん勝った。挑戦的なのは悪いことだとは思わない。けど、何回も話しているように(NFLの)QBをしていると、変動要素がたくさんある」
「ラインがしっかり(安定)しないといけない。武器も必要だ。コーチ(マット・ナギー)はすごくいい。それは今まで心配したことがない。彼はいいプランをまとめるだろう」
8勝8敗が2年続いたナギーにとって、今年は非常に重要なシーズンだ。だが、これから輝かしいキャリアを歩もうとするフィールズにとっては、見て学んで過ごす1年はわずかな時間だ。
「人はみんなそれぞれ違う。俺は前から、10試合程度が何だ? という考えを持っている。彼の大きなスキームの中で1シーズンが何だっていうんだ? 彼の未来を信じるなら、いざそこに放り込まれた時に全てが整っているようにしておくことだ。散々苦労して、3年先、5年先のゴーストを見るんじゃなく、サポートされ、理想通りに物事を起こせるようにしてやるべきだ」とカトラーは述べた。「彼はオハイオ州立大学の出だ。ビッグゲームを経験している。だからそこまで気にはしないだろう。けど、ここはオハイオじゃない。カレッジフットボールじゃないんだ。NFLではすぐに力が平均化される。謙虚にならなきゃいけない。悪いことも起こるだろう。それに対処するしかない」
フィールズが初先発としてフィールドに現れるまでは、それがベアーズのトップストーリーになり続けるだろう。その時期は遅い方がいいとカトラーは考えている。
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